命中75%は当たる

主にxy・orasの育成論の【記録】を目的としています。サンムーンに向けて、温故知新の精神で。

第6世代におけるゴウカザルの育成論まとめ



ぶっちゃけレート潜るよりも育成論や構築考えたり実際に育てる方が好きなんですよね。
ランダム対戦よりフレンド対戦の方が好きですし、心理戦込みのメタゲーム…つまり“考えること”が好きなんでしょうね。
ピンポイントな奇抜な型も使いやすいですし、身内読みも良いですし、ニックネームで型バレも良いです。そこから新たな駆け引きが生まれるわけなので。
まあ型バレすると弱い個体はランダムで使った方が面白いですけどね。

サンムーンが発売したらエアプ育成論を考えるのも面白いかもしれないなあと思ったり思わなかったりする今日この頃。アローラは個性的な考察しがいのあるポケモンが多そうですもんね。




いつも通り長い記事となっております。
育成論部分は例の通り後半です。




言わずと知れた第4世代の御三家であり、第4世代を代表するポケモンです。
有名なポケモンで大会でもレートでも結果を残しており、第6世代構築記事もそこそこあるしで書くか迷ったのですが、意外と考察記事や育成論はほとんどなかったので一つの指標として【記録】を残すことにしました。

【役割理論の破壊者】【役割破壊の申し子】【厨ポケ】色々な呼ばれ方をされていましたね。第4世代のゴウカザルは本当に強かったです。
高速両刀アタッカーの種族値を持っており、最メジャーだったのは長所を伸ばした【珠両刀フルアタ】【襷両刀フルアタ】でしょうか。【インファイト/炎技/めざ氷/草結び】がテンプレでしたね。もちろん他の物理技も持たれてましたし、とにかく器用なので補助技を持たれることもありました。
しかし第5世代では加速バシャーモが登場し、炎・格闘アタッカーとしての立場は完全に奪われてしまいました。初速が違うなどと擁護されることもありましたが、第5世代において雨パや砂パの上を取れる可能性のあるバシャーモの立場が揺らぐわけもなく、ゴウカザルはその数を大きく減らしました。そもそも火力もバシャーモの方が上ですしね。
第6世代においてはバシャーモがメガ進化を獲得し純粋強化されたことで、その差はさらに広がりました。xy初期の頃は初速でメガガルーラを上回っており、ギルガルドの弱点をつけ、ステロやエッジでファイアローを抑えられる等の理由からゴウカザルの解禁を待ち望む声も有り、実際に使用されていましたが、結局アタッカー型は最高速度と火力で勝るメガバシャーモに食われてしまいました。そりゃそうだ。
そもそも種族値の関係から珠を持たなければメガガルーラ確1と盾ガルド確1は実現できなかったので、ファイアローの相手をする余裕なんてありませんでした。

そんなわけでゴウカザルの活躍の場は失われてしまいました……とはなりませんでしたね。

ゴウカザル最大の強みは、第4世代から一貫して、その“多芸さ”にあります。バシャーモと比較されるアタッカー型はゴウカザルの引き出しの一つでしかありません。
ゴウカザルは第4世代で【最も技が読めないポケモンの一匹】とまで言われたポケモンです。


いつもの通りスペックを確認してみましょう。


タイプ:ほのお/かくとう
特性:もうか/てつのこぶし
種族値:76-104-71-104-71-108

主な攻撃技
オーバーヒート/大文字/フレアドライブ/ニトロチャージ
気合玉/インファイト/蹴手繰り/気合いパンチ
地震/ストーンエッジ/岩雪崩/岩石封じ
ダストシュート/雷パンチ/アクロバット/シャドークロー
めざめるパワー/草結び/投げつける/炎の渦
カウンター/蜻蛉帰り/がむしゃら
猫騙し/マッハパンチ/フェイント

主な補助技
鬼火/挑発/ステルスロック/吠える
アンコール/怠ける/猫の手
爪研ぎ/瞑想/ビルドアップ/剣の舞/悪巧み
その他汎用補助技


タイプは炎御三家ズお馴染みの炎・格闘ですが差別化は余程それぞれに寄せない限り要りませんね。特性は鉄の拳補正の乗る技が少ないので猛火が基本になります。
種族値は見ての通り、典型的な速攻両刀アタッカーです。環境の高種族値化が進んだ現在ではAC104はやや物足りないですが、S108が良いですね。欲を言えば115あって欲しかったですが、S100どころかS102を抜いていることは非常に大きいです。よくバシャーモと比較される初速の違いは(実戦では【かそく】が有用すぎて霞み気味ですが)S100族に強力なポケモンが増えたことで第5世代以上に顕著なストロングポイントとなりました。ゴウカザルにとっては雨パと砂パが居なくなったことで、相対的に高速化したことも大きいです。メイン格闘技がインファイトで襷を持ちやすいゴウカザルは、ファイアローの影響もやや少ない方でした。
またバシャーモと比較した場合、守るで1ターンの隙を作らないこと以上に技スペースをフルに使える、というところに差ができています。ただでさえ技の選択肢が多くあるゴウカザルですので、技スペースをフルに使えること、1ターン目にS81〜S105族の前でその多彩な技を使えることは運用する上で重要な差です。最も、バシャーモにとっては【まもる】は積み技で役割もエースなので、バシャーモ目線では守るに技スペースを割かれることは何のデメリットにもなっていないのですが。(立ち回りの上では1ターン目に必ず読み合いが発生するデメリットは当然あります。)

技は高速アタッカーとは思えない選択肢の広さですね。
まず、物理特殊共に必要な技が揃っています。物理で言えば【ダストシュート】と【インファイト】、特殊で言えば【くさむすび】がバシャーモにはない有用な技です。環境や使い方によっては【アクロバット】や【なげつける】も使えるでしょうか。守るに技スペースを取られるバシャーモには投げつけるは採用しづらいですね。
ねこだまし】【がむしゃら】【とんぼがえり】あたりも実用的で特徴的な運用ができそうです。
補助技も優秀な技が揃っていますね。【おにび】【ステルスロック】【アンコール】【ちょうはつ】は汎用性も高く、アタッカーでも採用しやすい技です。高速アタッカーには珍しい高速再生技【なまける】持ちですが、耐久種族値が低いため上手く扱えるかは少々疑問で、緻密なダメージ計算と立ち回り考察が必要そうです。鬼火瞑想があるので可能性はありそうですが…。


先ほど同タイプ内の差別化は特に要らない、と明言しましたが、エースアタッカーとして使用する場合は当然ゴウカザルバシャーモの役割劣化です。説明するまでもありませんが、同じタイプの攻撃範囲を持っているのに速度も火力も完全に劣ってますからね。どれだけ言い訳を取り揃えても、エースとしての能力はメガバシャーモの方が遥かに上ですガブリアスを差し置いてフライゴンをメインエースにすることはできませんね。

陽気ゴウカザルの珠インファイトの指数は36,504
意地メガバシャーモの飛び膝蹴りの指数は45,435

タイプ一致技の20%の差は乱数がズレるとかそんな肉薄した差異ではありません。以前の記事で霊獣ボルトロススピンロトムでもちょうど似た火力差が出ていましたので、何となく雰囲気で伝わるかと思います。
エースに求められるのは兎にも角にも火力と速度なので、その点でゴウカザルバシャーモに明確に劣っています。
では何故差別化は要らないのかと言うと、そもそも初速やサブウェポン、補助技の選択肢がまるで違います。速度も火力も耐久も今の環境でやっていくには心許ない……というか全く足りないのでメインエースにするのは流石に無理がありますが、サポート役にしたり、パーティに足りない範囲をカバーする補完アタッカーとしては十分な物を持っています。
ちなみにメガ枠を消費しないメリットは、バシャーモがメガ無し運用をできる時点でほぼありません。

サブウェポンによる一番の差はやはり【くさむすび】ですね。
珠草結びでバシャーモの天敵であるメガヤドランに確定2発を取ることができます。ちなみに細かい差ですが、草結びはヤドランには威力80でメガヤドランには威力100になります。どちらも確定2発に変わりないですけどね。また、補助技【ちょうはつ】【アンコール】によって起点にされるのを防ぎ、逆に起点を作ることも可能です。

この点から見てもわかるように、バシャーモとは異なり、柔軟に広い範囲の弱点を突きつつ補助技で試合のリズムを作る立ち回りが可能です。
さらには攻撃技を捨て、補助技を詰め込んで起点作りに特化してもそのSの高さから十二分な仕事をすることができます。
本当に器用なポケモンです。

ただしメガポケモン達の火力と耐久に慣れた現在では、スペックはやや不足気味に感じてしまいます。
アタッカー型では第4世代のような獅子奮迅の働きはやや厳しかったです。




【襷起点作り型】
性格:S補正の性格
特性:もうか
努力値:最速基本に調整

第6世代で最も多かった型です。レートにいる約7割の個体が何らかの形で起点作りに関わっていました。99%先発で起用され、ステルスロックを始めとした補助技をばら撒いて後続の起点を作ります。
覚える技の性質上、そのほとんどが積みサイクルで使用されました
他の多くのステロ撒きポケモンと異なる点は、挑発を誘わなく(そもそもSが高く先制で挑発を打てるポケモンが少ない)、ガルーラに対して多大なプレッシャーをかけることができるという点ですね。無補正インファイトが4振りメガガルーラに高乱数1発(81.3%)で、猫騙しも合わせればH振りメガガルーラまで高乱数圏内です。
ステルスロックとアンコールを両立可能なポケモンゴウカザルの他にはピクシーとツボツボ、アマルルガしかいません。足の速いステロ役として有名な襷ガブリアスや襷マンムーも、タイプ・汎用性・攻撃範囲どれを取っても優秀ですが、起点作り能力はアンコール分ゴウカザルの方が上です。鈍足の多い欠伸ポケモンとは違い、上から2回以上動ける可能性が高い点も評価されていました。欠伸とは違った範囲を違った形で起点にできますしね。
昔はアタッカー型の印象が強かったゴウカザルですが、ステロ役・起点作り役としての能力は世代を重ねた今でも一級品であり、環境の最前線で活躍する力があります

しかし一言に起点作り型と言っても、大きく分けて3パターンありました。
ひとつはタイプ一致技を採用しない起点作り特化型
ひとつはタイプ一致技を1つ採用したハイブリッド型
ひとつはタイプ一致技を2つ採用して補助技を差したいわゆるステロガブ型
この3パターンに分けて紹介したいと思います。


①起点作り特化型
性格:陽気or無邪気
確定技:ステルスロック/アンコール/岩石封じ
選択技:鬼火/我武者羅

相手の展開阻害を優先するなら【おにび】を、相手を後続圏内に入れることを優先するなら【がむしゃら】を選択です。
【おにび】の場合は耐久調整をした方が範囲が広がります。パターンは2パターンですね。Sを102族抜きまで下げるか105族抜きをキープするか。
前者なら108-4-180-0-4-212で概ね確定、
後者なら44-0-228-0-0-236で概ね確定になります。
どちらもマリルリの火傷滝登り→火傷アクアジェットを確定耐えです。前者ならH振りファイアローに対して岩石封じ+ブレバ反動ダメージが高乱数圏内に入ります。またA4振りでファイアローに対する岩石封じの乱数が動きます。後者なら準速メガボーマンダに対して行動を安定させることができます。
両者ともに鬼火でマンムーガブリアス等の火力を削ぐことができる点がメリットです。
【がむしゃら】の場合はBDに下降補正を入れ、BD個体値もできるだけ低くする方がベターです。ステロ+我武者羅で実質的に1匹倒すことができ、クレセリアメガヤドランなど、倒すのに苦労する相手のHPを大きく削って後続に繋ぐことが可能です。
この型に限らず、ゴウカザルがアンコールで縛る技は地面タイプが多く、逆に氷タイプを縛ることはないため、味方メガボーマンダ等との相性は良好でした。


②ハイブリッド型
性格:陽気or無邪気
優先技:ステルスロック/アンコール/岩石封じ
選択技:インファイトorオーバーヒート

鬼火を採用しないため、シンプルにASまたはCSに振り切るべき型ですね。タイプ一致の大技を採用することで、最低限の汎用性が確保されています
インファイトを採用する際のメリットは何と言ってもメガガルーラに強くなる点です。確定で落とせないとはいえ、その負担は十分に大きなものです。また、ゲッコウガに対しても岩石封じ+等倍インファイトが確定になります。バシャーモの天敵であるファイアローに対しても強くなり、岩石封じ+反動でH振りファイアローを確定にでき、無振りファイアローなら反動抜きでも確定1発です(交代際しかそんな状況ありませんが)。
オーバーヒートを採用する際の性格は無邪気がベターです。下降補正ゴウカザルに対して無振りメガゲンガーシャドーボールが最低70%のダメージとなり、無振り岩石封じ+252振り猛火オーバーヒートでH振りメガゲンガーが確定となります。ファイアローへの乱数を意識するならAを調整しても良いかもしれません。


③ステロ兼任アタッカー型
性格:せっかちor無邪気
優先技:ステルスロック/インファイト/オーバーヒート
選択技:岩石封じ/アンコール/猫騙し/我武者羅/その他攻撃技

役割をふわっとさせて汎用性を求めたゴウカザル。積みサイクルの軸と言うよりも、やや補完の意味合いが強い型です。もしくはアンコールを必要としない、前のめりな積みサイクルで使用される型でしょうか。パターンは【ステロ+一致技2つ+攻撃技】か【ステロ+アンコール+一致技2つ】になります。世の中には珠ゴウカザルステルスロックを仕込む型も存在しますが、ステロを撒けずに散るステロ猿は猿である必然性がほとんど失われてしまうのでここでは気合の襷にこだわります。珠を持たせるのであればしっかりと攻撃範囲を確保したいです。
メガガルーラマンムーに対して猫騙し+インファイトが非常に安定するのが強みです。ゴツメマンムーとかいうガルーラが生んだ闇のポケモンも意地っ張りABベースならそこそこ良い乱数で持っていくことができます。
もちろん猫騙しを採用しなくとも、ステロを撒いたのちに炎・格闘タイプとしての仕事をすることができます。むしろ3ウェポンの使用感としては普通の襷アタッカーゴウカザルに近いでしょうか。ただし火力はガブリアスよりはフライゴンに近いポケモンであり、高スペックのガブリアスではなくゴウカザルを採用するパーティ単位の明確な理由が欲しくなる型です。アンコールを採用する際はその限りではありません。




【珠アタッカー型】
性格:せっかちorおくびょう
特性:もうか
持ち物:いのちのたま
努力値:CSベース(0-20-0-252-0-236)
選択技:ダストシュート/がんせきふうじ/めざめるパワー氷/ねこだまし/とんぼがえり

王道を行く珠ゴウカザルですね。第6世代のテンプレらしいテンプレが見つからなかったので、指標として私が考えた調整を載せておきます。

性格はBに下降補正をかけます。Dが無補正になることにより、C振りメガゲンガーシャドーボールや無振りスイクンの熱湯のダメージがマックス90%未満となり、プラス珠ダメージ1回まで確定耐えすることができます。熱湯を耐えるとは言え、スイクンゴツゴツメットを持っていた場合は結局耐えられないので、なるべく熱湯を受けずに草結びを打ち込む立ち回りを意識したいです。
努力値は大文字や草結び、めざめるパワーの火力を確保するためにCSベースにします。実数値149(196振り)大文字で盾ギルガルドが確定1発に、実数値155(244振り)草結びでH252D4振りヤドラン対面での草結び→瞑想→草結びを確定に、実数値156(252振り)めざパ氷で無振りガブリアスを高乱数1発(81.3%)にすることができます。
この通りかなり足りていないので、Sを準速メガボーマンダ抜きとしてCに振り切った、A20-C252-S236振りが実質的なテンプレで良いと思います。
サンムーンでインファイトやダストシュートの火力が求められるようになればASベースも良いかもしれませんが、ただ何も考えずにASベースにしてもメガバシャーモの影がちらつきます。タイプ一致技のみで制圧できる範囲に大きな差があります。

技は抜く理由がない【だいもんじ】と格闘技、バシャーモと異なる攻撃範囲を確保するための【くさむすび】を優先的に覚えさせたいです。草結びは前述したヤドランメガヤドランスイクン、その他カバルドンラグラージドサイドンなどへの最高打点となります。
格闘技は頭を悩ませます。最も格闘技を打ちたいメガガルーラに対しては意地っ張り猫騙し2発で吹っ飛ばされてしまい、ポリゴン2にはさすがに良いダメージを出しますが、それでもH振りに対しても確定2発です。B特化ロトムにすらA無振りならインファイトが確定3発、Aに252振ってもオボン込み確定3発と、根本的に数値が足りていません。この点は【きあいだま】を採用することで解決しますが、命中率がネックです。命中率を気にしなければ環境にいるほぼ全てのガルーラを確定1発にできたりCSベースのままH振りヒードランに確定を取ることができたりとメリットも多いのですが…。しかしラッキーやメガバンギラス、チョッキポケモンへの打点としてのインファイトも捨てがたいです。火力が足りてないとは言え、珠を持った一致120技なのでそこそこ(指数29,718)の火力にはなります。

選択技として優先度が高いのは【めざめるパワー氷】。隙を作ると負けに直結するドラゴンへの高い打点となります。Cに振り切ると4振りメガボーマンダまで確定1発です。
【がんせきふうじ】はA20振りで無振りメガリザードンYをぴったり確定1発であり、リザードン対面やウルガモス対面での安定行動になります。メガゲンガーシャドーボール+珠ダメも耐えるため、ゲンガーに対しても積極的に打っていけます。
【ダストシュート】はA20振りでメガサーナイトを確定1発なのはもちろん、B無調整マリルリに対して最低151ダメージとなり、ほとんどのマリルリに対して大きな負荷をかけることができます。A252振りの場合はH振りニンフィアまで確定になりますが、HB振りが多いことを考えると気休めにしかならなそうです。マリルリも低乱数圏内に何とか食い込める程度にしかなりません。この点からも第6世代までの環境でASベースにするのはあまりメリットが大きくないように感じます。バシャーモと比較して範囲がほとんど広がりません。【ねこだまし】も採用すれば、マリルリを始めABメガガルーラも一撃で倒せるようになりつつ、ガルーラ側の猫騙しや先方に多い気合の襷を無効化できるので、非常に小回りが利くようにはなると思います。サンムーン以降に追加されるフェアリータイプによってダストシュートの通りが良くなれば【ダストシュート+猫騙し】のASゴウカザルは一気に可能性が広がります。
またCSベースで【めざめるパワー+猫騙し】の組み合わせにすることで、マルスカイリューや襷ガブリアスに安定して立ち回ることができるようになります。しかしその場合は草結びを切らなければならなくなり、ゴウカザルの採用理由が少し揺らいでしまいそうです。猫+氷攻撃だけならメガガルーラの方が強力ですし、メガガルーラ-バシャーモの強力な並びを作ることもできます。

このゴウカザルのパーティ内の立場は5〜6枠目として採用する【補完アタッカー】です。なお5〜6枠目に採用する時も、常に「これは本当にバシャーモ+αじゃ厳しいのか?」という自問自答が必要になります。トップ-ダウンとして採用するのであれば何も言いません。それは採用自体がコンセプトですからね。そういう遊びがポケモンには大切です。
ゴウカザルは補完アタッカーとして、構築レベルで隙が生まれがちなメガヤドランメガボーマンダへの駒を増やしながら、炎・格闘の遂行範囲としてマンムーメガガルーラギルガルド、ポリゴン2クチート等にプレッシャーをかけます。ガルーラやルカリオリザードンの初手身代わりと加速守るの択ゲーを回避できるのもバシャーモ目線から見たストロングポイントでしょうか。猫騙しを持てばさらに先発に出しやすくなり、相手の襷を警戒しないで済むようになるのでゲームメイクが格段に楽になります。





【襷アタッカー型】
性格:せっかちorむじゃき
特性:もうか
努力値:AS252
優先技:インファイト/オーバーヒート
選択技:ストーンエッジ/がんせきふうじ/ダストシュート/がむしゃら/ねこだまし/マッハパンチ/ちょうはつ/アンコール

第6世代のゴウカザルはほとんどが上記の襷起点作り型か珠アタッカー型でしたが、稀に襷アタッカー型のゴウカザルも見かけました。襷では草結びやめざ氷の指数が致命的に足りないためAS物理ベースとなります。
バシャーモには無い【がむしゃら】を好んで採用される傾向にあるようで、【岩石封じ+我武者羅】【猫騙し+我武者羅】などのパターンで使用されていました。我武者羅は気合の襷との相性も抜群でSも高いため、我武者羅使いの中では比較的上手く使いこなすことができます。【猫騙し+岩石封じ】の組み合わせを選べば先発性能が極めて高くなります。対面から多くの相手に勝つことができるようになり、安定した試合運びが可能になります。

襷アタッカー型も弱くはありませんが、火力が低いことや(先制技が多く飛び交う環境なせいで)2匹目以降に我武者羅が決まらないことが原因でほとんど数は見ませんでした。第6世代においてはパーティにおける役割もいまいち不明瞭であり、せっかく襷を持っているのに相手竜舞ドラゴンの相手をできず、ストッパーになれないことも気になります。CSベースでめざめるパワー氷を持っても、猫騙し+めざ氷で倒せるドラゴンは居ません。

ただ単純な技範囲は広いので全く刺さらないパーティというのはあまり存在しないのではないでしょうか。鈍足ポケモン地震や熱湯、サイコキネシス等を見てからギミック的に【アンコール】し、簡易的な起点を作ることもできます。

技範囲の広いS操作可能な襷持ちが嫌らしいのは、ガブリアスマンムー、ゲンガーが実証済みですね。




【スカーフアタッカー型】
性格:いじっぱり
特性:もうか/てつのこぶし
持ち物:こだわりスカーフ
努力値:AS252
優先技:インファイト/フレアドライブ/とんぼがえり
選択技:ストーンエッジ/ダストシュート/かみなりパンチ

何の変哲もないスカーフ型です。S108というスカーフガブリアス以上スカーフゲッコウガ未満のSから蜻蛉帰りで有利対面を作っていきます。
第4世代から一定数いますが、第5世代以降、その数は右肩下がりに減少しています。その理由は言うまでもなく加速バシャーモのせいですね。ですがそれと同じくらい、蜻蛉帰りを使う炎タイプとして、フレアドライブの火力で上回るヒヒダルマの存在も無視できません。ヒヒダルマには格闘技の威力でこそ勝っていますが、フレアドライブの火力差はゴウカザルが鉢巻を巻いても追いつかないほど開いています。
そんなゴウカザルのストロングポイントはやはりS108と格闘タイプです。通りが良く連打が利く高威力の格闘技を高速域から放つことができます。ヒヒダルマとは異なりメガガルーラを確定1発で落とすことができ、スカーフサザンドラにも奇襲的に攻撃することが可能です。また、リザードンとの初手偶発対面時に相手がリザXでニトロチャージや龍の舞を使ってきても、スカーフゴウカザルならばSを逆転されずに処理することが可能です。
蜻蛉帰りを持つ性質上、ゴウカザルにしては珍しく(積みサイクル以外の)サイクル気質のパーティに組み込みやすい型です。ただし繰り出し性能は皆無なため、サンダーナットやウォッシュロトム、メガハッサム等の蜻蛉ボルチェン軸のパーティにのみ適応します。

せっかくスカーフガブリアスやスカーフランドロスを上回るSを持っているのに、それらを確1に押し込む手段が無いのが何とももどかしい気持ちになります。タラレバ話ですが、徹子レンチならガブを確1、威嚇込み霊ランを低乱数1発にすることができちゃいます。レンチください。




ゴウカザルは世間的にちょっと過小評価されすぎてる気がします。
起点作り能力は全ポケモンでもトップクラスのものを持ってるんですけどね。ステロ+アンコはステロ+欠伸に並ぶくらい非常に強力なコンボだと思います。

アタッカー性能…?
草結びとダストシュートの役割範囲が広がることを祈ってサンムーンを待つしかないですね(投げやり)


さて、サンムーンの発売日もいよいよ近づいてきました。

もしかしたら発売前に記事を更新するのはこれが最後になるかもしれませんね。
発売後に古い情報で更新するつもりもありませんが。

何度も言いますが、ポケモンは知識の蓄積が物を言うゲームです。
色んなブログを読み漁って、色んなマイナーポケモンのことまで研究しましょう。

テンプレパーティだらけの世の中に一石を投じる情報が、どこかに転がってるかもしれません。
テンプレって強くて汎用性が鬼だからテンプレになるんですけどね。