命中75%は当たる

主にxy・orasの育成論の【記録】を目的としています。サンムーンに向けて、温故知新の精神で。

バイバニラ徹底考察〜チョッキバイバニラのススメ〜

(11/11追記)サンムーンでまさかの【ゆきふらし】を獲得するそうですね。

霰パの起動役としてはユキノオー(もしくはアローラキュウコン)の方が遥かに優れているので霰パで起用されるとは到底思えませんが、他の特性が死に気味なため、スタンパでの起用でも雪降らしを採用して良いと思います。自身や後続の火力補助にもなり、またターンを消費せずにマルスケや襷を潰せるのは非常に強力です。

第6世代のフリーズドライに引き続き、素晴らしいセールスポイントを頂きました。吹雪の火力は一級品ですし、もう差別化なんて要りませんしネタポケモンとは言えませんね。

でも【ゆきふらし】からバイバニラに注目してこの記事を見に来た人にこれだけは言わせて欲しい。


バイバニラは第6世代から強かったよ!!!





とつげきチョッキ】って神アイテムだと思うんです。

フルアタの選択肢があるポケモン全てに適応できて、無条件でD一段階アップ。ぶっ壊れですか。
しかし受けに際して確3範囲が広がり、またサイクルにも強くなるため、毒々や羽休めを持たせたくなるという謎欲求にかられてしまう罪深いアイテム。



第5世代にて登場の比較的歴史の浅いポケモンですが、有名ですよね?
詳細な性能云々や型が有名なのではなく、【初代的種族値配分の犠牲者】として。

タイプ:こおり
特性:アイスボディ/くだけるよろい
71-95-85-110-95-79

もうね、目の肥えたベテランポケモントレーナーならタイプと特性と種族値見た段階でゲンナリしますよね。

氷単タイプって。
物理弱点だらけのタイプで砕ける鎧って。
S79って。
中耐久で両刀種族値って。

ちなみに合計種族値は御三家と同等の535です。
これで技のレパートリーもギギギアル並に絶望的に少ないのだから救いようがありません。

どれか一つでも違っていたら、恐らくもう少し違った評価を受けてたのかもしれません。
例えばレジアイスクレベースのような尖った種族値配分なら、例えばオニゴーリのようなユニークアビリティを持っていたなら、例えば岩/霊タイプで浮遊だったなら…
それはもう全く別のポケモンなので考えても仕方ないですけどね。

あ、ビジュアル種族値はきっちり535だと思います。
可愛い。

しかしネタにされながらも第5世代から一芸は持っていたポケモンでした。
特性【アイスボディ】持ちのポケモンポケモンの中ではオニゴーリ(S80)に次ぐ素早さのポケモンであり、合計耐久値はオニゴーリを上回っていました。
【ゆきふらし】のターン制限がなかった第5世代の霰パでの【無限】要員として、ある程度の存在感は持っていたのではないでしょうか。
しかし早いとはいえ中途半端な素早さ(と耐久)なので、上からの様々な攻撃を一度耐えてから展開できるトドゼルガの方が高い人気を誇っていたのは間違いないありません。トドゼルガは炎と鋼を等倍に抑えられたことも評価されています。
それでも雪トドの並びはキノガッサヒードランに上からひたすら蹂躙されるリスクが付きまとうので、最速でそれらの上を取れるバイバニラの絶妙(に足りないながらも中速域の半ばに位置するよう)なS種族値は数少ないストロングポイントでした。もちろん最速まで振らずとも、トドゼルガとは起点にできる範囲がやや異なるため採用の芽は十二分にあったと思います。
かなり不器用ながらも挑発だけはしっかり使える点も評価したいです。
あのキュートな笑顔で挑発されても腹立ちませんけどね。

しかし第6世代での天候特性の仕様変更により【無限バイバニラ】はあまり陽の目を見ることなく過去の型となってしまいました。

代わりにバイバニラはxyから新技【フリーズドライ】を習得しました。
フリーズドライとは氷タイプ威力70基礎命中率100%の技で、【本来ならば半減であるはずの水タイプに抜群を取れる】非常に珍しく優秀な効果を持つ技です。
水タイプ以外のタイプ相性には変化がないので、例えばギャラドスであれば水と飛行の両方に抜群に刺さり、4倍のダメージを与えられることとなります。
ついでにバッドステータス【こおり】付与10%の追加効果もしっかり持っています。

この技は全ての氷ポケモンに与えられたわけではなく、第6世代では有名なところでは何故かグレイシアが省かれて哀しみに包まれていましたね。

非常にレアな技であることがわかると思います。

そしてこの技のおかげでバイバニラ含めこれらの氷タイプのポケモンはかなり救済される形となりました。
フリーズドライで弱点をつけるタイプは水、草、地、飛、龍の5つ、半減されるタイプは炎、鋼、氷の3つです。
これは最も範囲の広い攻撃タイプの1つとして有名な地面タイプと同等(5抜群2半減1無効)です。
ただでさえ範囲の広かった氷属性攻撃の半減がひとつ抜群になることの強力さが伝わるかと思います。

ちなみによく使われる攻撃タイプの格闘タイプは5抜群5半減1無効、岩タイプは4抜群3半減となっています。
これらと比較しても同等どころか勝ってることがわかるかと思います。


さて、バイバニラにおいても他のポケモンにおいても、この優秀な攻撃範囲を誇る技を使用しないわけにはいきません。

つまりバイバニラを使う上では上の方で名前を挙げたポケモン達との差別化が必須となります。
愛や縛り精神だけで良ければ差別化なんて考える必要はありませんが。

ぱっと見て一番のライバルになりそうなのは、同タイプで似たような役割を持ち素早さと特殊耐久で上回る最速零度使いのフリージオでしょうか。

特に差別化は必要ありません。
物理耐久に差がありすぎます。【こおりのつぶて】の火力差も馬鹿になりません。使う人がどれだけいるかわかりませんが、バイバニラには【つららばり】や【だいばくはつ】もあります。

オニゴーリは通常・メガ共々違った独自の方向に突き進んでいるのでこれも差別化は不要でしょう。マンムーデリバードは言わずもがな。
アマルルガも比較する必要もないとは思いますが、一応絶対零度と氷の礫により全く異なる動きが可能です。

となると、①ある程度の物理特殊両耐久を兼ね揃え、②特殊ベースのポケモンで、③氷の礫と絶対零度を上手く扱える、そんなポケモンを意識した方が良さそうです。

そう、ラプラスフリーザーですね。

まずは数字から見て取れる情報として、特攻はバイバニラが一番高いです。フリーザーとも種族値で15の差があります。
これだけでも十分そうではありますが、上記の2匹は優秀なポケモンです。
念を押して確認しましょう。

ラプラスはその技のレパートリーの優秀さが特徴的ですね。様々なタイプの攻撃技に滅びの歌などの小技も兼ね揃えています。
しかし最大の特徴は、フリーズドライを習得したことによって、特性を考慮しなければ全てのポケモンにタイプ一致技で等倍以上を取れるようになったことです。それによって第6世代では【水技/フリーズドライ/氷の礫/絶対零度@とつげきチョッキ】の磐石な構成が誕生しました。特性【ちょすい】により、水技に積極的に繰り出せる点も無視できません。

フリーザーはお馴染み3鳥の1匹で、バイバニラより一回り以上硬い高水準の耐久が特徴的です。フリーザーはその耐久と特性【プレッシャー】を活かし、残飯まもみが、羽休めなどで相手のPPを削り隙を伺いながら絶対零度の試行回数を稼いでいく型や、他の氷ポケモンにはない暴風とフリーズドライによる独特の制圧範囲を活用する【フリーズドライ/ぼうふう/氷の礫/絶対零度@とつげきチョッキ】の型などが考案されています。


どうやらバイバニラと似た性能の2匹は突撃チョッキを着込むことが多いようです。

これは氷タイプの防御面の相性を考えてのことですね。
氷タイプの弱点は炎、岩、格闘、鋼となっています。これらのタイプは物理で弱点を突かれやすいタイプとなっており、物理方面に厚くするよりは特殊方面に厚くする方が効率的だろうとの考え方からです。
またフリーズドライを活かすために積極的に水タイプに繰り出していきたいのと、元々耐久が高く、そして無理なくフルアタにできる2匹がチョッキを着込めば、特殊方面に対し広く役割を持てるようになることが見込めるからです。

では似た性能のバイバニラはどうでしょうか。
2匹に劣っている点は純粋な耐久値の低さです。Hが控えめでBDも種族値が100を越えないので、お世辞にも硬いとは言えません。柔らかくもありませんが。
そして攻撃範囲の狭さ。
2匹とも複属性の一致技をどちらも採用することで範囲を広げていますが、バイバニラは単タイプです。また、他に覚える技も貧弱です。めざパ、ラスカノ、水の波動、騒ぐくらいでしょうか。
水の波動が一番範囲が広がりますが、タイプ不一致60技では弱点を突こうが誰も倒せません。これはかなり致命的です。
逆に勝っている点はどこでしょうか。
結論にいきましょう。

電気、草に対する抵抗(等倍)とミラーコートです


【チョッキバイバニラ
性格:ひかえめ
特性:くだけるよろい
個体値:6V(1箇所甘えるならAかB)
努力値:228-4-0-100-52-124
実数値:175-104-105-157-122(183)-115

努力値配分は調べて見つけたものをパク…参考にさせていただきました。オリジナルのものと違って端数の4はBではなくAに振っています。
技はこの4つで確定です。チョッキを着る上では他の技を持つ理由は米粒一つほどもありませんしこの4つの技が単純に超高性能で使いやすい上にバイバニラの中で範囲も一番広いです。4つの技全てが役割遂行技です絶対零度だけは役割破壊も兼ねてますけどね。サンムーンでよっぽど超高性能技が追加されない限り環境がどう変わろうが技構成は揺るぎません。
「氷タイプに役割?」そう思う人もいるとは思いますが、それを可能にするのが神アイテム【とつげきチョッキ】です。氷タイプはタイプ受けは不可能ですが、チョッキを着ることにより擬似的に数値受けを成り立たせます。それこそレジアイスみたいなものですね。
HとSの数値は自分が考えていたのと同じで、バイバニラの長所のCをできるだけ活かしたいと考えていた私にはこれ以上の調整は考えつきませんでした。というか、計算した結果、特に変更する理由も見つかりませんでした。Bに振る理由だけはないように感じたので申し訳程度の火力上昇のためにAに回しました。多少調整の余地はあるのかもしれませんが、これが第6世代のチョッキバイバニラのテンプレで良いと思います。もちろんサンムーンでは微調整が入るはずです。
H実数値は愛と信頼の175です。バニラにとって定数ダメージ-1は色んな場面で大事になります。S115は凍える風スイクンや準速バンギ+1のポケモン抜き。Sラインを115まで上げたスイクンもいるので、S実数値は+1してもいいかもしれません。ただスイクンを抜いてもフリーズドライは低乱数2発であり、後続圏内に入れることを考えないならば絶対零度を連打すべきです。後続に引かれることを考えても1サイクル目は絶対零度が安定行動ですかね。2サイクル目は後続のエース圏内に入れれば十分でしょう。
特殊耐久の目安としては、特化シャンデラの大文字が6.3%の低乱数だったり霊獣ボルトロスの気合玉を急所でも耐えたりでしょうか。無振りウォッシュロトムや無振りメガフシギバナあたりによる攻撃も乱数4発に抑えられており、チョッキ役としての仕事は十分にこなしてくれました。ミラーコートがあるので、これ以上Dラインを上げると逆に使いづらくなってしまうのではないでしょうか。現時点ですら襷ゲンガーにヘドロ爆弾を撃たれると【ミラコ+氷の礫】で確定では落とせません。一応高乱数では落とせますけど、チョッキミラコ型のジレンマですね。しっかりと自分への被ダメージ感覚を養っていくことが、チョッキミラコ型では大事になります。
物理耐久は特化ガブリアスストーンエッジを赤で確定耐えする程度、で伝わるでしょうか。鉢巻逆鱗はフライゴンクラスですら中乱数(50%)なので、まず耐えられません。しかし鉢巻カイリュー、テクニガッサ、メガクチート、この辺りの物理先制技は余裕を持って耐えることができます。これがフリージオと差別化を図る必要はないと一言で切り捨てた理由ですね。不意討ちを耐えるということは、天敵鋼タイプであるメガクチート対面でも30%の確率で勝つことができるということです絶対零度、強い技ですね。S115未満のポケモン全てに勝ち筋を残せる強力無比な技です。
攻撃面は…と言っても通常攻撃はフリーズドライしかありませんが、フリーズドライも性格控えめを選択しただけあってしっかりと役割対象へ火力を供給してくれました。
具体的には…
H252振りウォッシュロトムをオボン込み確定2発
H252振りギャラドスを確定1発
H4振りメガギャラドスを超高乱数2発
HD特化トリトドンを確定2発(急所で確定1発)
H252サンダーを確定2発(電磁羽は零度)
H4振りジャローダを確定2発(1発+礫でも確定)
あたりですかね。十分なダメージを出せていました。
ちなみにスイクンに高乱数2発〜確定2発を取りたい場合は最低でも実数値167(努力値172)まで上げる必要があります。この型では現実的ではないので諦めました。しかしそもそもスイクンのランク+6の熱湯ですら3/4も入らないので、瞑想スイクンに対して絶対零度を当てる自信のない方は永遠にミラーコートを選択し続けてあげましょう。


ここまでで何となく気がついている方もいるかもしれませんが、チョッキバイバニラは氷タイプでありながら当初からドラゴンを役割対象に設定していませんでした。今でも対ドラゴンは他のポケモンとの共同作業です。ついでにランドにもちょっと甘いです。
選出画面で氷4倍のポケモンがいたら「ああ、氷の礫で縛れる状況が作れたらいいなあ」程度には思います。思いますが、「まあ適当なタイミングで礫で削ってくれればいいや」程度に考えて使用していました。
氷タイプで尚且つ役割上相手からの攻撃を受けることが多いので、必要に迫られない限りはあまり無理はさせられません。耐久にも不安が残りますし。選出画面でしっかりと相手を見定め、役割通りの【対等倍特殊】【対耐久】の仕事をさせてあげることが大切です。


そもそも、何故私が「あ、バイバニラ良いじゃん!バイバニラ育てよう!」なんて思ったのか。

「(物理ルカリオインファイトの障害となる)ギャラドスサンダーボルトクレセフシギバナランドあたりに有利取れるイケメンいないかなあ……バンギは岩技の命中率とギャラランドがなあ……あれ?フリドラ一貫してね?」

フリドラ使えてチョッキと相性良くて電気が弱点にならないだけで素晴らしいのに、S115未満のポケモンには無条件土下座を強いて、生きてる限りランドガブカイリューに礫のプレッシャーを与え続ける。

まさに理想的なポケモンでした。
サンダーボルトやフシギバナの相手をさせたかったからラプラスフリーザーじゃ駄目だったんですよね。
フシギバナ対面では絶対零度しか使いませんが。
処理が厄介なクレセリアやポリゴン2にも絶対零度でゴリゴリ圧力を掛けられるのが素晴らしいですね。
バイバニラにすることで、ジャローダウォッシュロトムに対しても隙が少なくなったのは良かった点です。
絶対零度という最強の攻撃技やミラーコート、ダメ押しの氷の礫があるため、フリーズドライの威力70の物足りなさが気にならないのがバイバニラの素晴らしいところですね。


ルカリオとは縦の相性こそ最高なものの(当たり前ですが)横の相性が最悪でしたのでバニラ入りルカリオスタンは割りと早くに解散してしまいましたが、それでも他の構築に何気なく突っ込んで遊んでみると意外なところで2タテ3タテしてくれて非常に楽しかったです。

少なくとも全く弱くありません。
バイバニラは弱いなどと宣う方にはエアプ認定をしてあげましょう。
グレイシアの方が遥かに弱いです(謎煽り)

活用の仕方がわからなく育てたことがなかった!
という方は、是非育ててみてください。
サンムーンのレート環境がどうなるかはわかりませんが、意外と役割範囲の広いポケモンですので、第6世代以上に物理偏重な環境にでもならない限りはそれなりに活躍できることをお約束致します。


最後になりますが、ざっくり思いつく限りの役割対象を列挙してしましょうか。
上から優先順位高い順です。

役割対象
特殊電気、特殊水
ギャラドストリトドンなどのフリドラ4倍勢
クレセリア、ラッキー、ピクシー等の耐久
その他等倍特殊(霊、超、妖、草など)
ドラゴンタイプ、マリルリ、ポリゴン2など


バシャーモギャラドスボーマンダなどのサポーターとしてはなかなか相性の良いポケモンなのかもしれませんね。



あ、砕ける鎧…?

存在を忘れた頃に役に立ちます(忘れてた)

どうせ物理は2回は耐えないのでデメリットは一切ありません。

しかし表面が凍ったアイスクリームなんですね。
冷凍庫から出したばっかりかな?