命中75%は当たる

主にxy・orasの育成論の【記録】を目的としています。サンムーンに向けて、温故知新の精神で。

輝石ムウマのススメ 第6世代育成論まとめ

挨拶にてマイナーなポケモンどうのこうの書いた癖に、メジャー級のルカリオの記事から書き始めたのは私です。
こんにちは。
今日はムウマについてだらだらと。例によって育成論は後半です。



ムウマ

第2世代が初出のポケモンですね。
金銀のラストダンジョン【シロガネやま】にて初エンカウントすることになるポケモンですが、なんとストーリー中にムウマを繰り出すトレーナーが1人もいないことから、正真正銘シロガネ山にて初エンカウントとなります。
また、その出現が低確率かつバージョン限定だったことから、レッドを倒すまでプレイしたけど当時ムウマを見たことなかった!という人も多いのではないでしょうか。
その扱いはあの600族バンギラスの初期形態であるヨーギラスと同等。ヨーギラスにはバージョンの壁はなかったことから、もしかしたらヨーギラスよりも希少価値の高いポケモンだったかもしれません。(一応ムウマの出現率は金10%晶5%ありましたが)
そしてゴーストタイプとしてはゲンガー系統に続いて2番目の登場とかなりの古株となっており、優遇されたデビューだったと言えるでしょう。

しかし、対戦環境におけるムウマについての知識がある人はどれだけいるでしょうか?

初出の金銀においては、トップメタのカビゴン(捨て身タックル/鈍い/寝言/眠る)から有効打がなく、ゲンガーと違って地面技も弱点にならないことから、【くろいまなざし】【ほろびのうた】コンボによる崩し要員として重宝されてきました。ムウマ系統(というかムウマ)が一番輝いていた時代ではないでしょうか。

第3世代ではゲンガーと共に特性【ふゆう】を獲得。この環境で現在のシステムに纏わるほとんどの仕様が整いましたね。
努力値の仕様変更や特性の出現、拘り鉢巻や強力な積み技の出現により対戦環境が変化し、ムウマの活躍できる場は減少しました。シングルでもダブルでも大爆発が強化されたゲンガーに立場を取られ、またダブルではより高耐久のゴースト、サマヨールにも枠を奪われました。滅び要員としての需要はありました。
第4世代も立場は変わらず、滅びパにお呼びがかかる程度で、対戦の最前線からは遠退きました。この世代では正統進化系としてムウマージが追加されましたが、こちらも種族値の関係上ゲンガーの壁を破ることは難しかったです。
第5世代で【しんかのきせき】が登場。ポリゴン2やラッキー、サマヨールら一部進化前のポケモンが台頭。追加進化だったムウマもこの恩恵に預かったポケモンの1匹であり、単純な耐久指数でサマヨールに遅れは取るものの、ゲンガーとは違った方向に強化され、一部で注目を浴びることとなりました。

そして第6世代。
メガ進化の追加により数値受けやタイプ受けの概念すら崩壊しつつある環境で、ゲンガーのメガ進化獲得によりムウマージムウマ共に環境からはほぼ絶滅しました。そんな中でもムウマージで好成績を残したり、輝石ムウマを構築に組み込んだ人も現れました。【たたりめ】の強化により高火力ウェポンを獲得できたこと、そして鬼火が(命中率も上がり)刺さる環境になったことが大きいです。【ノーマル】【かくとう】【じめん】を無効化する耐性からトップメタのメガガルーラに非常に強く、様々な補助技や搦め手を駆使することで多くの相手を掻き乱せる点が評価されました。それでも上から鬼火や催眠術、高火力技を放て、【かげふみ】状態で【みちづれ】や【ほろびのうた】を使えるメガゲンガーの壁は厚かったですが。


ここでムウマの基本情報をおさらいしましょう。

ムウマ
タイプ:ゴースト
特性:ふゆう
種族値:60-60-60-85-85-85

・輝石込みの実質種族値
無振り:60-60-100-85-137-85
BD極振り:60-60-116-85-153-85

図太いHB特化の耐久指数:30728
→意地リザXのランク+1逆鱗が超低乱数1発(6.3%)
→陽気メガマンダのランク+1捨て身タックルが超低乱数1発(6.3%)
→陽気ガブの逆鱗が確定3発

穏やかHD特化の耐久指数:37575
→臆病メガルカのランク+2ラスカノが確定2発(最大124ダメージ)
→控えめリザYの晴れオバヒが確定2発(最大135ダメージ)
→控えめ眼鏡ギルガルドのシャドボが確定2発(最大162ダメージ)


高速回復技もないので、受けとして働くには輝石を持っても少々心許ないでしょうか。採用率の高い叩き落とすも1度は耐えますが、2発目は耐えられません。
しかし、努力値の振り方にもよりますが、物理特殊両方に1ターン以上の行動が保証されていると見て良いでしょう。
また、耐久ポケモンを相手にするならば十分すぎるほどの耐久指数です。


・実用性のありそうな技
たたりめシャドーボールマジカルシャイン、こごえるかぜ、イカサマ、かげうち、ふいうち
うらみ、いたみわけほろびのうた、くろいまなざし、おんねん、めいそう、どくどく、ちょうはつ、まもる、いちゃもん、おにびでんじは、みがわり、トリックルームみちづれおきみやげのろい、わるだくみ、スキルスワップ、トリック、あやしいひかり、いばる


ゴーストタイプらしい技のラインナップですね。
補助技を眺めているだけでも幾つかの型を考えられそうです。

【鬼火(電磁波)祟り目型】
【呪い痛み分け型】
トリックルーム置き土産型】

上2つは相手のアタッカーや耐久ポケモン崩しに、下はメガクチートなどの低速高火力ポケモンのパートナーに向いているでしょうか。
試合を決める滅びの歌や道連れ、場を荒らすムウマと相性の良い怨念も候補に挙がりやすい技だと思います。
耐久ポケモンの起点回避用の定番ウェポンであるイカサマに関しては、起点回避用補助技が豊富で鬼火も使えるムウマにはやや無駄になりがちといったところでしょう。もちろん型次第では採用したい技です。



【鬼火祟り目(物理受け)型】
性格:すぶとい
努力値:HBベース
たたりめ/おにび/いたみわけ/@1選択

なぜか第6世代現在においてシングルにおけるムウマのテンプレとされている型です
正直中途半端に物理耐久だけ上げても、中途半端すぎて仮想敵がおらず無駄になることが多かったです。耐性だけ見るとコテコテの物理受けなんですけどね。少なくとも第6世代ではB方面は調整程度で十分でした。第7世代で絶妙な火力の仮想敵が現れると変わるかもしれません。
鬼火の入る物理に投げ、鬼火→痛み分け→祟り目と行動することで突破を目指します。
弱点を突かれないポケモンや火力バフのないアタッカーはこれで突破を、耐えられても機能停止の瀕死直前まで追い詰められます。
ほとんどの場合Cには無振りになりますが、祟り目の威力が195あるので並のアタッカーに近い火力を供給できるのも祟り目型の強みです。
Sも85族であり、無振りでも低速アタッカーやほとんどの耐久ポケモンを上回っていることもセールスポイント。この辺りの素早さは激戦区であり、第7世代でも調整のイタチごっこが発生することが容易に想像できるので、周りに合わせて適宜調整を。
ただし【しんかのきせき】の仕様上、耐久努力値を削れば削るほど加速度的に耐久指数が落ちていくので、Sに振るとしても仮想敵を明確にし、ほどほどにしたいところ……ですが上から鬼火や電磁波を打ちたい敵(バンギやギャラなど)も多いため、性格臆病も選択肢に入ります。その場合は物理受け寄りのムウマとは動かし方がやや変わります。別項にて語ります。

・選択技
【でんじは】【ほろびのうた】【のろい】【おきみやげ】など、これはパーティと好みに合わせて選択としか言えません。【でんじは】を選べば鬼火と合わせて幅広い範囲を見れるようになり、【ほろびのうた】を使えば相手がラスト1匹なら勝ちを確定させられたり居座る相手耐久ポケモンを退かせることができます。【のろい】は相手耐久ポケモンに多大な負荷をかけつつ自主退場でき、【おきみやげ】は起点回避しつつ自主退場し、さらに後続の積みエースの起点を作ります。
もちろん【おんねん】や【ちょうはつ】もありだと思います。


私は
【おにび/でんじは/たたりめ/いたみわけ】で使用していました。
最も、努力値調整も性格もスタンダードを無視していますが。

【鬼電祟り目型ムウマ
性格:おだやか
努力値:h252 b172 d84
実数値:167-×-102-105-127-105

特殊方面を控えめ眼鏡サザンドラの悪の波動耐えまで伸ばした、行動保証を重視した努力値振りです。このラインは眼鏡サザンドラの攻撃を耐えたかったのもありますが、どちらかと言えばスカーフサザンドラシャンデラの急所による事故を減らしたかった(ただでさえ怯みが怖い)ことが大きいです。個人的にルカリオを愛用していましたので、持ち物やSラインの確定は死活問題でした。エースポケモンに合わせて調整の余地のある数字だと思います。
余りをBに振ることで物理方面も鉢巻カイリューの逆鱗を確定2発に抑える程度には耐久を確保できています。これによりラム龍舞カイリューと偶発対面しても、電磁波か鬼火を連打することで機能を停止させることができます。
ほとんどの場合初手に投げ、相手に合わせて電磁波や鬼火をばら撒き、相手パーティを疲弊させることを目的としていました。とにかく誤魔化し範囲が広いため、困ったら選出するという形でした。
特に初手にはメガポケモンや足の速いポケモン、撃ち逃げポケモン、ステロや壁で場を整えようとするポケモンが出てくることが多く、非常に良い仕事をしてくれました。当時のパーティのMVPだったと思います。
初手のリザードンYに対しては、電磁波→痛み分けと入ることでオーバーヒートを2連耐えしてくれます。リザードンX相手だったとしても初手電磁波が安定するのが嬉しいところでした。
身代わり持ち以外のメガポケモンのほとんどを相手にできたのではないでしょうか。もちろんゲンガー含めです。
身代わり持ちのメガポケモンに当たったら泣きます。これはムウマに限らず、状態異常に依存する耐久ポケモンの宿命ですね。あと挑発もよく打たれます。これも泣きま…せん見え見えなので大人しく引きます。

鬼電祟り目ムウマは、アタッカーに対してだけでなく、耐久ポケモンにも非常に強いポケモンでした。
鬼火のスリップダメージ、電磁波による回復阻害、祟り目という連打の利く高火力技、相手の再生を許さない痛み分け。
私はルカリオを愛用していたので、相手のポケモンルカリオ圏内に押し込むのにムウマの削りを重宝していました。

ムウマの【ノーマル】【かくとう】【じめん】を無効にする耐性と鬼火電磁波の存在は、多くのアタッカーに対して行動を抑制する効果が高いので、この型のムウマは第7世代以降の環境においても調整を変えるだけで器用に働いてくれるのではないでしょうか。
調整次第で本当に色々耐えるポケモンなので、調整のしがいがあると思います。



【鬼電祟り目型ムウマ亜種】
性格:臆病
努力値:h252 s228 残り28
実数値:167-×-80-105-105-147
おにび/でんじは/たたりめ/いたみわけ

鬼電ムウマだけで3パターン目ですが、臆病のムウマです。
実数値を見てもらえれば解る通り、最速ギャラドス抜きまで振っています。残り28を耐久に振っても劇的に何かが変わるわけでもないので振り切ってもいいかもしれません。
全てのムウマの共通の悩みが、役割対象であるポケモンに挑発を打たれることです。それを解消しようとしたのがこの型になります。
ここまでSを伸ばせば中速域のポケモンを軒並み抜けるので、ギャラドスサーナイトバンギラスマンムー、無補正の霊獣ランドロスといったポケモンに上から異常技を撒けます。また、上から身代わりを張られがちだったヒードランギルガルド、無限キノガッサといったポケモンの展開も阻止できます。つまり、中速域のポケモンに焦点を絞って役割範囲を拡大したのがこのムウマになります。広く浅くから、狭く深くということですね。
言うまでもなく耐久振りムウマと違って(輝石の特性も相まって)耐久は激減しますので、他のムウマで相手をできた高火力のポケモンは素通りさせてしまうことになります。
特に高速高火力のポケモンを素通りさせてしまうと負けに直結してしまうため、臆病ムウマを採用する際には、後続にその部分をカバーできるポケモンを採用するといいでしょう。第6世代の環境で語るのならばガブリアスがその範囲をうまくカバーしてくれると思います。
私は中速域のポケモンルカリオで殲滅していたので、最後まで穏やかムウマを採用していました。
月並みですが、そこは本当にパーティ次第ですね。



【呪い痛み分け型】
性格:おだやかorずぶといorおくびょう
個体値:A0推奨
努力値:下記参照に各自調整
のろい/いたみわけ/みがわりor選択/選択

HBライン(L50時の実数値表記)
h167-b86 不一致イカサマを身代わりが確定耐え
                   無振りクレセリアサイコショックを身代わりが確定耐え
h167-b88 陽気ガブリアスの拘り鉢巻逆鱗を確定耐え
h167-b102 意地バンギラスの交代際追い討ち+砂ダメ1回を確定耐え

HDライン(同上)
h167-d105 4振りスイクンのねっとうを身代わりが確定耐え
h167-d122 4振りメガフシギバナギガドレインを身代わりが確定耐え
h167-d138 4振り控えめニンフィアのランク+1ハイパーボイスを確定3発
h167-d139 4振りライコウの10万ボルトを身代わりが確定耐え

役割を対耐久ポケモンに特化させたムウマです。
呪いは相手の身代わりを貫通するため、【残飯毒守身代わり】で居座ろうとする相手や【無限型】に絶大な効果を発揮します。その他、眠るによる異常リセットも効かないので、【瞑想眠る型】相手にも身代わりと痛み分けを盾に、相手を素眠りまで追い込むことが可能です。

技選択肢としては【シャドーボール】【イカサマ】【おにび】【でんじは】などが挙げられるでしょうか。
当初は型のコンセプト的に【みがわり】も確定かと思ってたのですが、そもそも相手によっては対戦中に身代わりを張る余裕がないことがあったり、計算してるうちに最低限の耐久なら性格補正も必要ないことに気がつきまして…。イメージとしては鬼火祟り目の代わりに呪い痛み分けで圧力をかけるムウマでしょうか。
身代わりを採用しなければ技スペースに余裕が生まれるので、鬼電ムウマのように、異常ばら撒き役として働けるようにしてもいいと思います。ただ相手のHPを削ることに専念させたいのであれば相手の毒々なども避けれる身代わりがある方が便利です。
この型の最大のセールスポイントは、型の性質上、相手の受けループに対して非常に強力な駒となるということです。ただし1匹で勝つ力はありません。悪しからず。バンギラスとかゲンガーとかね、相性最悪なんで。それでも、相手の受けループの核を務めるラッキーとグライオンに対して一方的に有利に立つことができます。ただしそれは相手も百も承知のはずなので(受けループに出てくるムウマなら相手は滅び型を想定してたと思いますが)
ムウマバンギラスに狩られないように上手く立ち回る必要があります。
この呪い痛み分けムウマは相手の防御性能に依存しません。呪いを回復する手段も交換か瀕死しかありません。相手の高速再生の回復量は呪いと痛み分けによってほぼ相殺されます。
よって、第7世代以降の新規ポケモンに強力な、害悪と呼ばれるような耐久ポケモンが登場したとしても、このムウマなら互角以上に渡り合えるのではないかと思います。言うなれば対害悪用最終兵器でしょうか。
害悪ポケモンに悩まされた際には是非ご一考を。



トリックルーム置き土産型】
性格:任意、S下降性格も選択肢に
努力値:仮想敵決めて耐久調整
トリックルームorでんじは/おきみやげorのろい/選択/選択

特に説明不要ですかね。火力のない代わりに襷を必要としないトリルシャンデラのような存在。地味にSラインがシャンデラより高いのが吉と出るか凶と出るか。
機を伺ってトリルか電磁波を撒いて退場します。トリルを選択する際は後続エースに確実にトリルターンを3ターン残すために置き土産を優先的に選びたいですが、使用したい相手やタイミングが異なるので置き土産と呪いの両立、または呪い1本の選択もありでしょう。ムウマシャンデラポリゴン2と違い一定水準の火力を供給することはできないポケモンです。よって居座って自分でトリルターンを消費する戦法を選択するのは得策ではないでしょう。クレセリアのように、あくまでサイクルを回す中で切り返し技、試合を決める技としてのトリルの使用を心がけることが大事です。
トリルでなく電磁波をばら撒く際は、基本は鬼電祟り目ムウマと同じような動きでいいと思います。この場合はトリルのターン制限もないため、クレセリアよりは控えめポリゴン2に近い動かし方になるかもしれません。
ほか選択肢に挙がる技としては【おにび】【たたりめ】【ちょうはつ】【イカサマ】【ほろびのうた】【いたみわけ】あたりでしょうか。S下降性格にする場合は挑発はやや使いづらいかもしれません。トリル+置き土産(呪い)を軸に戦う場合は残り2つはサイクルの中で使う技(イカサマや鬼火、痛み分け)を、電磁波+置き土産(呪い)を軸に戦う場合はシナジーの強い祟り目や挑発を選択するといいでしょう。
第6世代ではトリルエースと言えば専らメガクチートが選ばれてきました。第7世代でどのような鈍足アタッカーが登場するかは不明ですが、メガクチートの火力とSの遅さは一級品であり、第7世代においてもトリルエースとして名を上げることが期待されます。そして、地面と格闘を無効化できるムウマクチートと相性が良く、第7世代においても構築を組む際に選択肢に挙げることができるのではないでしょうか。ポリゴン2と異なり地震を一貫させないのは評価点です。
ただし、クチート軸の宿命と言えましょうか、相手のヒードランバシャーモウルガモスといった炎タイプに対するカバーはほとんど利きません。そこは残り1枠、もしくは構築段階での課題となります。が、何も考えず主人公ガブリアスで良い気もします。


ここまで書いて気づきましたが、電磁波置き土産型ならば鈍足エースにする必要性はありませんね。
身代わりや積み技を持ったエースポケモン全てと相性が良い、オーソドックスな起点作りポケモンでした。
別項として書いた方が良かったかもしれません。



こんなにもムウマについて長々と書いてるとまるでムウマ好きな人間みたいですが、正直、普通です。可愛いとは思いますがビジュアルはムウマージの方が好きです。
ただ、穏やかムウマの性能には惚れ惚れしましたし、扱いが簡単で厨ポケだとも思いますし、可能性に溢れたポケモンだとも思います。

第7世代、サンムーン以降も、ムウマはもっと考察されても良いポケモンなのではないかと思います。
ダブルでも強そうだしね。