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主にxy・orasの育成論の【記録】を目的としています。サンムーンに向けて、温故知新の精神で。

ノーマルロトムをふわっと考察〜テンプレ補完鬼電祟り目型〜

フライゴンの記事で「ロックな層うんぬん〜」という話をしましたが、私が大概そのロックな人間ですね。
改めて記事一覧で並んだポケモンの名前を見て我ながら苦笑いがこぼれます。

強力で有名なポケモン達も(テンプレ構築も)ガンガン使いますが、それらは私以上に詳しい方々が詳しい個別記事をネット上に溢れ返るほど書いているので、私が改めて触れるまでもないなあという。
というか膨大な型や調整が開発されてるので、一度触れてしまうと何万文字打っても記事が書き終わらない状況になるのは目に見えています。よって触れません。

そんな感じでマイナーポケモンを使おうという変わり者の人のために、今回もマイナーポケモンについてつらつら語っていきます。



前回の記事(http://bashingshield.hatenablog.com/entry/2016/10/29/075729)ではスピンロトムの可能性について模索しました。


今回の記事では同じ【ロトム】であるノーマルロトムについて私見を交えて考察・型紹介を行いたいと思います。

ロトムの歴史やFCロトム達の特徴については重複内容となるので上記記事をご参照ください。

正直ノーマルロトムについては注目された過去がありそれなりに考察されてきたポケモンということで、他記事よりはさっくり目になるかなあと思います(希望的観測)
メガルカリオキュウコンの記事のように、補完くらいの意味合いですかね。

さっそくですが、スペックを見てみましょう。


タイプ:でんき/ゴースト
特性:ふゆう
種族値:50-50-77-95-77-91

無効:ノーマル、かくとう、じめん
半減:ひこう、でんき、どく、むし、はがね
弱点:ゴースト、あく

主な攻撃技
シャドーボール、たたりめ、イカサマ

主な補助技
おにび、でんじは、どくどく、あやしいひかり
リフレクター、ひかりのかべ、トリック
いたみわけ、ねむる、じゅうでん



見ての通りゴーストタイプのロトムになります。巷じゃ【ノーマルロトム】なんて呼ばれてるからか、電気/ノーマルタイプだとか電気単体だとか思ってる人もいるみたいです。
事実使っていると稀に不可解な技を打たれます。マイナーの強みですね。
個人的には端的にゴーストロトム、霊ロトムと呼んでいるのですが、世間でこんなに誤解されてるなら【ノーマルロトム】で誤解されたままの方が良いですね。

スペックから見て取れる情報で一番目を引くのは、その圧倒的に優秀な耐性ですね。
無効3つに半減を5つも持っています。弱点も2つと少なくなっており、安定した立ち回りが期待できそうです。
しかし、残念ながら種族値は低く、それは叶いません。FCロトムですらギリギリのスペックなのに、さらにBとDが30ずつ、Cも10低いですからね。いくら耐性が優秀でもこの紙耐久では行動回数や繰り出し性能はたかが知れています。(もちろん無効が3タイプもあるので繰り出せる場面というのはある程度存在しますが。)
具体的にはFCロトムファイアローの鉢巻ブレイブバード2発耐えをHに108振るだけで実現しますが、ノーマルロトムはH252-B116振りが必要です。B特化してもガブリアスの鉢巻逆鱗が中乱数1発というところからも指数の足りなさが伝わるかと思います。

そんなノーマルロトムに何故注目する人がする人がいるのかというと、【S91】の【浮遊ゴースト】だからですね。

低スペックでほとんどの場面でFCロトムの役割下位となるノーマルロトムですが、素早さ種族値だけは5上回っています。
これはメガ進化前の最速ガルーラやルカリオの上を取れる数値です。ほとんどの中速域のポケモンよりも早いですね。
そしてノーマル・格闘・地面を無効化する耐性からメガガルーラに対して極めて強く、猫騙しを無効化し、上から鬼火などのバステ技を安定して撒けます。この点はほぼ唯一FCロトムに勝っている、ノーマルロトムならではのストロングポイントです。

【浮遊ゴースト】で【おにび】を撒ける実用的なポケモンと言えばゲンガー、ムウマージ、輝石ムウマがいますね。
(浮遊ではなく飛行タイプまで範囲を広げればフワライドが、浮いてなければほとんどのゴーストが対象となりますが、後述の理由でノーマルロトムの今回の採用理由はどうせ揺るがないので無視します)

ゲンガーとムウマージはそれぞれS110、S105族と高速域の素早さを持っており、ノーマルロトムの役割上位のようなステータスを持っています。メガ後のガルーラやガブリアスにも上を取れるので、場面を選ばず活躍できるのが強みです。特攻もそれなりにあります。
ムウマは特攻と素早さこそノーマルロトム以下ですが、【しんかのきせき】の適応対象であり、高い耐久を盾に下からバステをばら撒くことを得意としています。

どのポケモンも強力なライバルですが、差別化は特に悩みません。
まず強力な【でんじは】【おにび】を両立できるのはノーマルロトムムウマムウマージの3匹です。この両方の技に耐性がある(もしくは受けても影響が小さい)ポケモンは少数派であり、多くのポケモンの前で居座る択を選択できます。
そして最速ガルーラやルカリオの初手身代わりを恐れずバステ技を撒けるのはSが90を上回っているノーマルロトムムウマージのみ。岩雪崩や冷凍ビームの事故率を考えても、上を取っていることは役割遂行上非常に重要です。
さらにノーマルロトムは低耐久故にタイプ受けはほとんど叶いませんが、疾風の翼ブレイブバードバレットパンチといった先制技に対しては目に見えて強く、また電気タイプであるが故に【麻痺無効】のパッシブスキルを持っています。ボルトロスジャローダメガボスゴドラなど初手に出てきやすい強力な麻痺撒きポケモンに仕事をさせず、逆に安定した役割遂行が可能です。
また【ロトム】であるので、当然【ボルトチェンジ】が使えます。ノーマルロトムは自分で幅広い相手を自力で倒すほどの火力も耐久も安定性もないので、火傷や麻痺を入れた直後に早々に後続のエースに代わることができるボルトチェンジは非常に有効な技です。前述のガルーラとはメガ進化後にS関係が逆転するため、後攻ボルトチェンジが安定する点も高く評価できます。不利対面であってもボルトチェンジによる対面操作が行えます。

この時点で既にノーマルロトムの目指すべき型が見えますね。
火傷や麻痺をばら撒き、後続のアタッカーが動きやすい環境を整えます。


【先発特化鬼電祟り目型】
性格:おくびょう
持ち物:きあいのたすき
努力値:H124-C132-S252
確定技:おにび/でんじは/たたりめ
選択技:ボルトチェンジ/リフレクター/いたみわけ

愛と信頼の【鬼電祟り目型】ですね。
最早ゴーストタイプのポケモンのテンプレです。
①紙耐久ゆえに繰り出し性能が低い
②メガ前のガルーラが主な役割対象であり、他のゴーストを差し置いてノーマルロトムを採用する強力な採用理由である
③比較対象の中で唯一麻痺に強い
以上の理由から先発に特化したバステ付与役です。最速を取っているので輪をかけて低耐久ですが、【きあいのたすき】で行動回数を確保しているのでわりと思考停止気味に使えます。中速域を抜き去る鬼電祟り目型のメリットは輝石ムウマの記事でも語りましたが、中速域に多い挑発・身代わり持ちに行動阻止されるのを防げます。
HC調整は一番参考になった方の調整のコピペです。CS珠持ち化身ボルトロス相手に高い確率で相打ちにできるようにしたそうです。特にCSぶっぱにする理由もHSぶっぱにする理由もなければ調整しておいて損はないと思います。先発特化と謳ってますが、ボルトロスの電磁波に繰り出す択を持てるのは単純に実戦において便利です。
このCを確保することで【たたりめ】の指数が25,740となりH振りメガゲンガーも確定1発になるので十分な火力が確保でにていることがわかります。108振りから確定なので、Cに振るのであればここが最低ラインになります。
輝石ムウマでは絶妙に火力が足りない(メガゲンを中乱数1発)ので、ここもセールスポイントですね。

【リフレクター】は相手のガルーラの肝っ玉猫騙しからのバシャーモ交代に合わせて使うことで読みの負担を減らせます。単純に鬼火電磁波と合わせて使うことで積みエースの起点を作ったり、対面性能の高いアタッカーを暴れさせる場を整えることもできます。
ボルトチェンジ】ならば【ロトム】お得意の対面操作が行えます。先発ポケモンによるボルトチェンジの有用性自体は語る必要はないですね。襷で確実に後続に繋げます。相手の身代わりが怖い時にも使え、隙を作らず後続のハイパーボイス持ちや連続技持ちを繰り出せます。
ノーマルロトム自身の対面性能を上げるのであれば【いたみわけ】を採用するのも良いと思います。対耐久ポケモンへの駒としても使えるようになります。痛み分けの場合はリフレクターやボルトチェンジの場合とは異なり、自分で積極的に相手を削る型なので厳密に言えば別の型になりますが、調整や立ち回りなどが大きく変わるわけではないのでまとめました。痛み分け持ちであろうと一番の仕事はバステばら撒きであるため、紙耐久のノーマルロトムから事故回避兼遂行範囲拡大の気合いの襷は外せません。ただパーティを上手く組める方であれば他の持ち物を持たせても良いでしょう。

先ほどからずっと紙耐久紙耐久と言っていますが、こちらも再三言っている通りノーマルロトムの耐性は極めて優秀です。
というか個人的に攻守共に最強に近いタイプと特性の組み合わせだと思っています。
3つある無効と麻痺耐性は常に相手に不利な択ゲーを押しつけますし、電気とゴーストの攻撃範囲、補助技の多さは相手に無償に近い安定行動を与えません。

先発に多い起点作り地面タイプ、壁張りエスパータイプ、とりあえずメガ進化しに来るメガポケモン、麻痺ばら撒きポケモン、スカーフエース、これら多くのポケモンに対して安定した仕事を行えます。
特攻は決して高くはありませんが、【たたりめ】という逆起点を回避するには十分な威力の連打の効く技を撃てるのもノーマルロトムの強さを後押しします。
つまり先発適性が極めて高く、初手から有利対面を作り自分のペースに引き込めるということです。
不足気味の耐久も、先発で場を整えるポケモンにとっては早々に退場できるセールスポイントと受け取ることもできます。
つまりノーマルロトムの裏に控えさせるのは積みエースや身代わり展開をするポケモンが相性が良いですね。こちらのメガポケモンが安心してメガ進化できる機会と捉えても良いと思います。
逆にサイクル気質の強いパーティとはやや相性が悪いと言えます。せめてFCロトムと同等の耐久指数があれば良かったのですが…。最もボルトチェンジと優秀な耐性があってサイクルに参加できないわけがないので、飽くまで“やや悪い”であって、サイクル寄りのパーティの先発要員にすることももちろん可能です。

メガガルーラを主なメタ対象として考察された型ですが、襷を持った先発偵察ポケモンとしての能力は対メガガルーラ性能を抜きにしても優秀なので、サンムーンで環境がどう変化してもこの型はこのまま活躍できるのではないでしょうか。
ノーマルロトムはもう少し使われてもいいポケモンだと思います。



・他の型の可能性について
ロトム】であるので【こだわりトリック型】や【両壁型】【魔界ロトム型】が考えられますが、ノーマルロトム自体が低スペックなため、ガチ環境ではほとんどの場面で他FCロトムの役割上劣化となると思います。タイプが違ってもです。
耐久指数の低さから眼鏡や両壁張りの安定性が確保できないこと、範囲云々以前にスカーフシャドーボールでは火力が足りなさすぎること、耐久指数の関係からサイクルに積極介入できないことが理由として挙げられます。
まあ両壁に関してはやってやれないことはないと思いますが、スピンロトム以上にウォッシュロトムヒートロトムの壁が厚いです。

唯一ノーマルロトム版の【魔界ロトム】はSラインが高いこともあって同型のFCロトムや中速域の毒みがポケモンに強く、メガガルーラに貫通攻撃されることもあまりないので可能性に溢れていると思います。
ただ耐久が低いので、1発殴られてから展開する場合は身代わりの連続展開回数上限が他FCロトムより減ってしまう場合も多いです。
できる限り無効で繰り出し、流し際or素早さで勝ってる相手を狙って展開していきたいですね。



明日、ついに第6世代xy・orasと続いたオンラインレーティングバトルの幕が下ります。

本格的な時代の変わり目ですね。

サンムーン発売までにあとどれほどの記録を残せるかわかりませんが、少しでも多くのマイナーポケモンの記録を残していきたいと思います。