ノーマルロトムをふわっと考察〜テンプレ補完鬼電祟り目型〜
フライゴンの記事で「ロックな層うんぬん〜」という話をしましたが、私が大概そのロックな人間ですね。
改めて記事一覧で並んだポケモンの名前を見て我ながら苦笑いがこぼれます。
強力で有名なポケモン達も(テンプレ構築も)ガンガン使いますが、それらは私以上に詳しい方々が詳しい個別記事をネット上に溢れ返るほど書いているので、私が改めて触れるまでもないなあという。
というか膨大な型や調整が開発されてるので、一度触れてしまうと何万文字打っても記事が書き終わらない状況になるのは目に見えています。よって触れません。
前回の記事(http://bashingshield.hatenablog.com/entry/2016/10/29/075729)ではスピンロトムの可能性について模索しました。
さっそくですが、スペックを見てみましょう。
タイプ:でんき/ゴースト
特性:ふゆう
種族値:50-50-77-95-77-91
無効:ノーマル、かくとう、じめん
半減:ひこう、でんき、どく、むし、はがね
弱点:ゴースト、あく
主な攻撃技
シャドーボール、たたりめ、イカサマ
主な補助技
おにび、でんじは、どくどく、あやしいひかり
リフレクター、ひかりのかべ、トリック
いたみわけ、ねむる、じゅうでん
事実使っていると稀に不可解な技を打たれます。マイナーの強みですね。
スペックから見て取れる情報で一番目を引くのは、その圧倒的に優秀な耐性ですね。
無効3つに半減を5つも持っています。弱点も2つと少なくなっており、安定した立ち回りが期待できそうです。
具体的にはFCロトムはファイアローの鉢巻ブレイブバード2発耐えをHに108振るだけで実現しますが、ノーマルロトムはH252-B116振りが必要です。B特化してもガブリアスの鉢巻逆鱗が中乱数1発というところからも指数の足りなさが伝わるかと思います。
そんなノーマルロトムに何故注目する人がする人がいるのかというと、【S91】の【浮遊ゴースト】だからですね。
そしてノーマル・格闘・地面を無効化する耐性からメガガルーラに対して極めて強く、猫騙しを無効化し、上から鬼火などのバステ技を安定して撒けます。この点はほぼ唯一FCロトムに勝っている、ノーマルロトムならではのストロングポイントです。
(浮遊ではなく飛行タイプまで範囲を広げればフワライドが、浮いてなければほとんどのゴーストが対象となりますが、後述の理由でノーマルロトムの今回の採用理由はどうせ揺るがないので無視します)
ゲンガーとムウマージはそれぞれS110、S105族と高速域の素早さを持っており、ノーマルロトムの役割上位のようなステータスを持っています。メガ後のガルーラやガブリアスにも上を取れるので、場面を選ばず活躍できるのが強みです。特攻もそれなりにあります。
どのポケモンも強力なライバルですが、差別化は特に悩みません。
まず強力な【でんじは】【おにび】を両立できるのはノーマルロトムとムウマ・ムウマージの3匹です。この両方の技に耐性がある(もしくは受けても影響が小さい)ポケモンは少数派であり、多くのポケモンの前で居座る択を選択できます。
そして最速ガルーラやルカリオの初手身代わりを恐れずバステ技を撒けるのはSが90を上回っているノーマルロトムとムウマージのみ。岩雪崩や冷凍ビームの事故率を考えても、上を取っていることは役割遂行上非常に重要です。
さらにノーマルロトムは低耐久故にタイプ受けはほとんど叶いませんが、疾風の翼ブレイブバードやバレットパンチといった先制技に対しては目に見えて強く、また電気タイプであるが故に【麻痺無効】のパッシブスキルを持っています。ボルトロスやジャローダ、メガボスゴドラなど初手に出てきやすい強力な麻痺撒きポケモンに仕事をさせず、逆に安定した役割遂行が可能です。
また【ロトム】であるので、当然【ボルトチェンジ】が使えます。ノーマルロトムは自分で幅広い相手を自力で倒すほどの火力も耐久も安定性もないので、火傷や麻痺を入れた直後に早々に後続のエースに代わることができるボルトチェンジは非常に有効な技です。前述のガルーラとはメガ進化後にS関係が逆転するため、後攻ボルトチェンジが安定する点も高く評価できます。不利対面であってもボルトチェンジによる対面操作が行えます。
この時点で既にノーマルロトムの目指すべき型が見えますね。
火傷や麻痺をばら撒き、後続のアタッカーが動きやすい環境を整えます。
【先発特化鬼電祟り目型】
性格:おくびょう
持ち物:きあいのたすき
努力値:H124-C132-S252
確定技:おにび/でんじは/たたりめ
選択技:ボルトチェンジ/リフレクター/いたみわけ
愛と信頼の【鬼電祟り目型】ですね。
最早ゴーストタイプのポケモンのテンプレです。
①紙耐久ゆえに繰り出し性能が低い
②メガ前のガルーラが主な役割対象であり、他のゴーストを差し置いてノーマルロトムを採用する強力な採用理由である
③比較対象の中で唯一麻痺に強い
以上の理由から先発に特化したバステ付与役です。最速を取っているので輪をかけて低耐久ですが、【きあいのたすき】で行動回数を確保しているのでわりと思考停止気味に使えます。中速域を抜き去る鬼電祟り目型のメリットは輝石ムウマの記事でも語りましたが、中速域に多い挑発・身代わり持ちに行動阻止されるのを防げます。
HC調整は一番参考になった方の調整のコピペです。CS珠持ち化身ボルトロス相手に高い確率で相打ちにできるようにしたそうです。特にCSぶっぱにする理由もHSぶっぱにする理由もなければ調整しておいて損はないと思います。先発特化と謳ってますが、ボルトロスの電磁波に繰り出す択を持てるのは単純に実戦において便利です。
このCを確保することで【たたりめ】の指数が25,740となりH振りメガゲンガーも確定1発になるので十分な火力が確保でにていることがわかります。108振りから確定なので、Cに振るのであればここが最低ラインになります。
輝石ムウマでは絶妙に火力が足りない(メガゲンを中乱数1発)ので、ここもセールスポイントですね。
【リフレクター】は相手のガルーラの肝っ玉猫騙しからのバシャーモ交代に合わせて使うことで読みの負担を減らせます。単純に鬼火電磁波と合わせて使うことで積みエースの起点を作ったり、対面性能の高いアタッカーを暴れさせる場を整えることもできます。
【ボルトチェンジ】ならば【ロトム】お得意の対面操作が行えます。先発ポケモンによるボルトチェンジの有用性自体は語る必要はないですね。襷で確実に後続に繋げます。相手の身代わりが怖い時にも使え、隙を作らず後続のハイパーボイス持ちや連続技持ちを繰り出せます。
ノーマルロトム自身の対面性能を上げるのであれば【いたみわけ】を採用するのも良いと思います。対耐久ポケモンへの駒としても使えるようになります。痛み分けの場合はリフレクターやボルトチェンジの場合とは異なり、自分で積極的に相手を削る型なので厳密に言えば別の型になりますが、調整や立ち回りなどが大きく変わるわけではないのでまとめました。痛み分け持ちであろうと一番の仕事はバステばら撒きであるため、紙耐久のノーマルロトムから事故回避兼遂行範囲拡大の気合いの襷は外せません。ただパーティを上手く組める方であれば他の持ち物を持たせても良いでしょう。
先ほどからずっと紙耐久紙耐久と言っていますが、こちらも再三言っている通りノーマルロトムの耐性は極めて優秀です。
というか個人的に攻守共に最強に近いタイプと特性の組み合わせだと思っています。
3つある無効と麻痺耐性は常に相手に不利な択ゲーを押しつけますし、電気とゴーストの攻撃範囲、補助技の多さは相手に無償に近い安定行動を与えません。
特攻は決して高くはありませんが、【たたりめ】という逆起点を回避するには十分な威力の連打の効く技を撃てるのもノーマルロトムの強さを後押しします。
つまり先発適性が極めて高く、初手から有利対面を作り自分のペースに引き込めるということです。
不足気味の耐久も、先発で場を整えるポケモンにとっては早々に退場できるセールスポイントと受け取ることもできます。
逆にサイクル気質の強いパーティとはやや相性が悪いと言えます。せめてFCロトムと同等の耐久指数があれば良かったのですが…。最もボルトチェンジと優秀な耐性があってサイクルに参加できないわけがないので、飽くまで“やや悪い”であって、サイクル寄りのパーティの先発要員にすることももちろん可能です。
メガガルーラを主なメタ対象として考察された型ですが、襷を持った先発偵察ポケモンとしての能力は対メガガルーラ性能を抜きにしても優秀なので、サンムーンで環境がどう変化してもこの型はこのまま活躍できるのではないでしょうか。
・他の型の可能性について
【ロトム】であるので【こだわりトリック型】や【両壁型】【魔界ロトム型】が考えられますが、ノーマルロトム自体が低スペックなため、ガチ環境ではほとんどの場面で他FCロトムの役割上劣化となると思います。タイプが違ってもです。
耐久指数の低さから眼鏡や両壁張りの安定性が確保できないこと、範囲云々以前にスカーフシャドーボールでは火力が足りなさすぎること、耐久指数の関係からサイクルに積極介入できないことが理由として挙げられます。
ただ耐久が低いので、1発殴られてから展開する場合は身代わりの連続展開回数上限が他FCロトムより減ってしまう場合も多いです。
できる限り無効で繰り出し、流し際or素早さで勝ってる相手を狙って展開していきたいですね。
明日、ついに第6世代xy・orasと続いたオンラインレーティングバトルの幕が下ります。
本格的な時代の変わり目ですね。
サンムーン発売までにあとどれほどの記録を残せるかわかりませんが、少しでも多くのマイナーポケモンの記録を残していきたいと思います。
スピンロトム徹底考察〜結論:暴風ください〜
多分これがスピンロトムについて一番考察しているブログだと思います。(未調査)
(11/1内容修正&加筆)
一部致命的なダメージ計算ミスがありました。
それに伴い、育成論部分の内容を修正しました。/(^o^)\ナンテコッタイ
定数処理とか乱数処理とかね…これだから手計算は…
何より自分で使っててミスに気づかなかったのが凄い。改めて文字に起こしてから初めて違和感に気付いた。
調整し直したのでわずかに立ち回りに変化が見られます。役割をはっきりさせたぶん、正直修正前より改良されたと思います。
いつもの通り、ボトム-アップ形式で最適な型を探っていきます。
トップ-ダウンは自分の嫁ポケ相棒ポケですりゃあいいですね。
型だけ見たい方は多分記事の真ん中以降に。
ロトムは第4世代ダイヤモンド・パールが初出で、一般ポケモンながら固定エンカウントのポケモンでした。未だに野生のランダムエンカウントでは出現したことがないポケモンです。
第7世代ではポケモン図鑑の中に入り込むことも確定しており、活躍の場を対戦の外へも広げました。
通常フォルムでは電気・霊の複合ですが、フォルムチェンジをすることで、電気をベースにそれぞれ炎・水・草・氷・飛行タイプの複合へと変化します。種族値が上がりフォルム毎にそのタイプの技を1つ覚えることができるので、特性の【ふゆう】と合わせて独特の受け範囲と攻撃範囲を実現しています。スピンロトムは【エアスラッシュ】と飛行タイプを手に入れますね。また、オリジナルがゴーストタイプということもあり、非常に多くの小技を覚えることもロトムの強さを支えています。ロトムにトリックルームを与えなかったのはゲーフリ最後の良心ですね。ロトムのトリルは考えただけで恐ろしいです。
第4世代ではフォルムチェンジをしても電気・霊を維持していました。通常フォルムを単純強化してそれぞれのタイプの技を与えるので、もしかしたら今の仕様よりも強かったかもしれません。高耐久の浮遊ゴーストの強さは説明するまでもありませんよね。その代わりオフライン対戦でしか使用ができませんでした。
第5世代でフォルムチェンジの仕様が変更され、本体のタイプが変化する現在の仕様となりました。それに伴いオンライン対戦でFCロトムが解禁され、第5世代第6世代ともにウォッシュロトム、ヒートロトム、カットロトムの順によく使用されていました。ウォッシュロトムに関しては第5世代では【害悪洗濯機】の称号?二つ名?悪名?を得ていましたね。どのフォルムもボルトチェンジによる対面操作やサイクルサポートを得意としていますが、そのボルトチェンジを止めに来る地面タイプに対して【おにび】や【ハイドロポンプ】を撃てることが高く評価されました。単純に電気タイプにも関わらず【ふゆう】であり、地面タイプからの有効打がなかったことも影響しています。似た動きができるカットロトムと比較しても弱点が草しかなく安定していること、メインウェポンの通りがよく連打が効くことがストロングポイントでした。ヒートロトムは相手の電気・炎タイプに圧倒的に有利な点と草に強い電気タイプ、地面に弱くない炎タイプとして支持され、カットロトムは相手のウォッシュロトムに強い点と相手のカバルドンやバンギラス、その他ボルトチェンジを受けにきたガブリアスなどを眼鏡リーフストームで確定で吹き飛ばせる点を評価されていました。第6世代からは草の補助技が効かなくなった点も大きいでしょうか。
さて、当のスピンロトムはどうだったでしょうか。
スペックをおさらいしましょう。
タイプ:でんき/ひこう
特性:ふゆう
種族値:50-65-107-105-107-86
無効:じめん
半減:かくとう/はがね/ひこう/むし/くさ
弱点:こおり/いわ
主な攻撃技
エアスラッシュ、めざめるパワー、イカサマ、
たたりめ、シャドーボール
主な補助技
おにび、でんじは、どくどく、あやしいひかり、
リフレクター、ひかりのかべ、トリック、
いたみわけ、ねむる、じゅうでん
少ない弱点と優秀な耐性、そして豊富な補助技が目に入ります。攻撃属性はやや少ないでしょうか。しかし範囲はしっかりと確保されているようです。
この情報だけ見ると、なぜ使われないのかわからないくらい優秀なスペックを持っていることがわかりますね。
特性は死んでますが。
飛行タイプが【ふゆう】を持つことにメリットは何ひとつありません。羽休めでも覚えればまた違ったのでしょうが。第4世代でフォルムチェンジしても電気/ゴーストタイプだった名残り…というか弊害ですね。スピンロトムはこの一点により、一般に不遇ポケモン・ネタポケモンの烙印を押されてしまっています。
同タイプにサンダーと化身ボルトロス、霊獣ボルトロスという強力な準伝説がいることも不遇化に拍車をかけています。3匹とも非常に高いスペックと採用率を誇っており、そもそも電気タイプの枠があまり空いていません。空いた枠に入るとしても補完として優秀なウォッシュロトムやヒートロトムがほとんどです。
ですが前述の通り、スピンロトム自体のスペックは悪くありません。優秀なロトムの遺伝子を持っているだけあり、周りを見なければ多彩な補助技を軸に立ち回れそうです。上記の3匹とは異なり一致特殊飛行技を持っていることもセールスポイントになりそうです。
存在が被っている【ふゆう】と飛行タイプもポジティヴに考えれば決して悪いものではありません。“飛行タイプが浮遊を持っている”のではなく、“ロトムが飛行タイプを持った”のです。
メガギャラドスやドリュウズ、カイロスやオノノクスの地震の一貫性を切ることができます。特にギャラドスは本来電気タイプであるロトムで負担をかけたい相手なので、メガ進化による縛り関係の逆転を阻止できる飛行タイプの存在は非常に大きいです。単純にメガギャラドスを恐れて選出を歪める機会が減ります。特性浮遊は死んでいますが、それがイコール、スピンロトムの存在価値を貶めるものでは決してありません。ロトムが、飛行タイプを持ったのです。【でんき/ひこう】という枠組みで見るから特性が気になるのです。ロトムは飽くまでも【ロトム】というジャンルのポケモンなのです。
(そう思い込んでおけば、「ああ特性がすり抜けや蓄電ならなあ」と思わずに済みます)
さて、さらに環境内におけるスピンロトムのことを正確に知るためにも、確認を踏まえて差別化を考えましょうか。
まずはタイプ一致で【エアスラッシュ】を使えることが一番のセールスポイントですね。
水や飛行ポケモンと対面した状態から、電気の通らない地面・草・龍に対して安定して一貫した有効打となります。サブウェポンに枠を割かなくとも一致技のみで広い範囲にある程度の火力を供給できることがわかります。
これによる具体的な差異としては、ボルトロスと霊獣ボルトロスはメガフシギバナ相手にはピンポイント気味なサイコキネシスを採用しなければならないのに対し、スピンロトムはメインウェポンで対処できます。無補正無振りでもH振りメガフシギバナに対して最高49%のダメージを与えることができ、怯みと合わせて相手に大きな負担を与えることができます。
この点だけでも全ての電気タイプと差別化できているように見えますね、一見。
ただし固有技の威力がウォッシュ・フロストの110、ヒート・カットの130と比較してスピンロトムは75とふた回りも落ちるのが気掛かりです。命中率が高かったりスタンが期待できるメリットはありますが、実戦で嬉しい場面はあまりありません。怯みでごり押せることは稀にありますが。ですがウォッシュロトムやヒートロトムなどの固有技を不自由に感じない時点でロトムには高威力技の方が向いているのは明らかですね。Cも高いわけではないので。暴風ください。
ということで全てのFCロトムとのデータ上の差別化を完了し、攻撃範囲でも優れている側面があることがわかりました。
火力は不安ですが、少なくとも一方的に枠を奪われることはありません。種族値とベースの技が同じなので、できること自体に大きな差はありませんしね。
では次はタイプの被っている準伝説ポケモン達との単純なアタッカー性能、受け性能を比較します。ガチ環境の世界は、エアスラッシュの一芸だけで枠を奪えるほど生温い世界ではありません。ボルトロスはサイコキネシスさえ持てばメガフシギバナにも対処できますし、そもそもの話、スピンロトムのエアスラッシュよりも霊獣ボルトロスのサイコキネシスの指数の方が0.5%ほど上です。エアスラッシュの優位性なんて霊獣ボルトロスから見たらほとんど無いに等しいです。
まあ当然ですが、基礎スペックでは完全に負けていますね。特に特攻と素早さは全員に完敗しており、S100族を上回っていないのはスピンロトムだけです。
全くの同タイプでありながらスペックで完敗しているのは致命的です。FCロトムはタイプが異なるので耐性の面から気楽に考えられましたが。
他のFCロトムは眼鏡やスカーフアタッカーとして運用されがちですが、これは他のFCロトムは一致技の威力が高く、同タイプにライバルがいないため、相対的にも絶対的にもアタッカー運用が好ましいという判断です。
次に受け性能を見てみましょう。
これはサンダーの一人勝ちです。耐久指数はそれぞれ特化で物理29550・特殊30732となりますが、スピンロトムはこれより物理8%、特殊12%劣ります。これがどういう差かというと、サンダーはスピンロトムでは叶わないメガバシャーモの叩き落とす→フレアドライブの一連の流れの確定耐えを実現できます。
そしてサンダーは高速再生技の【はねやすめ】を有するため、場持ちの良さは雲泥の差です。この場持ちの良さを買われ、サイクル中心のパーティでよく採用されます。【いたみわけ】にも良い点はあるのですが、高速再生技でなければそもそも【受け】は成立しません。
化身ボルトロスは耐久指数こそスピンロトムを下回りますが、強力な特性を武器にクッションや誤魔化し要員として図太い個体や穏やか個体が開発されています。対面操作が極めて得意であり、サイクルが苦手なパーティにもよく採用されます。HPが1でも残っていれば仕事をするので、実耐久以上に厄介なポケモンです。
スピンロトム自体には技もスペックも(特性以外は)ある程度揃っています。
ただ、純粋にライバルの壁が厚すぎる。
それがスピンロトムの採用率の低さの原因ですね。
それではスピンロトムに活路はないのでしょうか。
鬼火、電磁波、毒々、怪しい光
リフレクター、光の壁、トリック
痛み分け、眠る、充電
パッと見て耐久向け・サポート向けの補助技が揃っていることがわかります。ただし高速再生技がないため、【受け】は困難そうです。【誤魔化し】が精々でしょうか。
目を引くのはサンダーが覚えない【おにび】と【両壁】、【トリック】ですね。どれも持続して戦況に影響を与え続ける技です。
サンダーが毒々や電磁波を得意としていることからも、状態異常技では鬼火を優先して活用したいところです。
しかしそれはあまりにもイレギュラーな型なので、「何そのオドロオドロしい名前」と思った方は是非調べてみてください。レートの闇を見ることができます。そして汎用性の塊のような型なので、恐らくサンムーンでも見かけることになると思います。
と、言うわけでスピンロトムの進むべき道は見えてきました。
①電気タイプとして対飛行、対水へ役割を持てる
②メガフシギバナに電気受けの仕事をさせない
③飛行タイプとして対格闘、対地面への役割を持てる
④鬼火や両壁、トリックによる後続への繋ぎを行える
これらを同時に満たせるのはスピンロトムだけですね。役割をこれらの相手に絞ることで個性的な活躍を見込めそうです。
特に他のFCロトムにできない格闘誤魔化しと、サンダーにできない鬼火などの補助技を重視したいです。
あとはこれらを意識した型が実践に耐え得るかどうか検証するだけです。
【スピンロトム式物理誤魔化し型】(11/1修正)
性格:ずぶとい
持ち物:ゴツゴツメット
努力値:h252 b252 s4 or h252 b228 s28
何の変哲もない【物理誤魔化し型】です。D方面は指数が足りず、高速再生技もないためサンダーのように【特殊受け・特殊誤魔化し】は難しいです。【おにび】があり、耐性の面から見ても物理誤魔化しが最適だと思います。
ただし後出しから受け切ったりするようなスペックは持ち合わせていないので、必要に迫られない限りは状態異常を撒いてエースを動きやすくするという働きを心掛けたいです。
努力値は指数が足りないためHBに全振り。電磁波を採用したい際などにはS実数値を110まで引き上げます。これによりマリルリの【じゃれつく】が確定3発から超低乱数2発(1.2%)になるなど、このラインの攻撃の確定数が僅かに変動します。
一般的なメガギャラドスの最大打点である【こおりのキバ】が確定3発なので、受け出し→電磁波→1回以上行動の流れが安定します。
相手がH4振りのみなら10万ボルト+ゴツゴツメット3回で確定相討ちになりますし、龍舞から入られてもS実数値109で残りHP20%弱のメガギャラドスが場に残るだけです。倒すことを考えなければ鬼火やリフレクターで後続の積みの起点を作ることもできます。
対水タイプにおいて絶大な能力を発揮するB特化ウォッシュロトムが対メガギャラドスのみに於いては交代際の型破り地震で確定2発を取られることを考えると、対メガギャラドスが安定するのは【飛行ロトム】ならではのストロングポイントと言えます。
育成論修正前にゴツメ持ちたいゴツメ持ちたいと喚いてましたが、念願叶いました。結果的に計算ミスをして良かったかもしれません。
このようにサンダーやウォッシュロトムほどとはいかなくとも、対水タイプとしての仕事を十分にこなせることがわかるかと思います。
ただし(水タイプかどうかかなり怪しいですが)ゲッコウガは無理です。一応道具補正無しの冷凍ビームは耐えられますが、役割放棄気味ですね。
対飛行、対地面に関してはウォッシュロトムに軍配が上がりますが、サンダーとはイーブンといった感じでしょうか。
対メガボーマンダは全てのロトムが安定しないので仕方ありませんが、対ファイアローに関しても珠ブレイブバード+珠フレアドライブまでしか相手にできません。HDファイアローは論外です。これはサンダーであっても同様なのであまり気にすることではありませんが、対ファイアローを重く見るのであればウォッシュロトムやヒートロトムを採用するべきです。
地面タイプはほぼ全てのポケモンが物理アタッカーであり、鬼火が非常によく通ります。サンダーと異なりガブリアスの逆鱗に受け出すことは無理ですが、地震か岩封読みで繰り出し鬼火やリフレクターを撒いて退場することができます。鬼火やリフレクターを覚えないサンダーではできない動きですね。
まず、最も数の多いメガバシャーモに対して安定しません。安全に繰り出せるのは守るのタイミングか【ばかぢから】のタイミングのみです。どのFCロトムでも後出しができない辺り、耐久指数が単純に低いのでしょうね。
サンムーンでの麻痺の仕様変更を受け、メガバシャーモの陽気個体が増えれば変わってくるかもしれません。一応対面からならフレドラ反動やゴツメ蓄積ダメージ含めて倒すことはできますが、それならウォッシュロトムも同様ですね。
他のメジャーな格闘として、対メガルカリオはサンダー同様に後出しからの電磁波が非常に安定します。冷凍パンチでも超低乱数2発(2%)に抑えます。電磁波を入れてしまえばスピンロトムで倒せなくても後続でどうとでも対応できるでしょう。ステルスロックに注意が必要なのもサンダーと同様です。
まずASベースのメガヘラクロスには上を取られてしまいロックブラストで逆に確定を取られてしまいます。S微調整の個体相手でもメガ進化前に対面すると種族値の関係からSが負けている可能性が高く、なるべく初手の偶発対面は避けたいところです。最もスピンロトムは先発適性がそこまで高いわけではないので初手偶発対面はないと思いますが。
またSの問題をかいくぐっても、せっかく本来であればエアスラッシュのセールスポイントとなる相手なのですが、【メガヘラクロススタン】でヘラクロスと一緒に組まれるポケモンにはスピンロトムが相手できないポケモンが非常に多く(相手できるのはマリルリとガブリアス、ファイアローくらい)、立ち回りで強い制限を受けてしまいます。スピンロトムを活躍させたい場合は、メガバシャーモやバンギラスなどでスピンロトムの役割対象のポケモンを呼び込むよう心がけましょう。
他FCロトムとの一番の差別化ポイントになりそうな対格闘でしたが、環境にいる格闘のSラインが非常に高いことと相まって、やや厳しいと言わざるを得ません。
もしサンムーン以降に鈍足格闘ポケモンが追加されればまた変わるのでしょうが…。
一応足の早い格闘も、対面からなら電磁波エアスラッシュのまひるみゲーで突破は可能です。
あとは今は数を減らしていますが、B特化のままチョッキローブシンに殴り殴り勝てる可能性があるのは、ドレインパンチを打たれずエアスラッシュを打てるスピンロトムのみです。Dに薄ければエアスラッシュ2発+ゴツメダメージで落とすことができますし、エアスラッシュを2発以上打つので、それなりな確率でのスタンが期待できます。
他にFCロトムとの差別化点として挙げた対メガフシギバナ性能ですが、確かにスピンロトムには後出しされませんし電気受けの仕事をさせませんが、スピンロトムが積極的に倒しにいくべき相手でもありません。眠り粉による事故が怖いですし、相手の努力値振り次第では逆に狩られることもあります。
ウォッシュロトムに関しては草タイプ全般が天敵なので、これもスピンロトムのストロングポイントの一つと言えるかもしれませんね。飛行タイプと麻痺無効の点から、ウォッシュロトム受けとして名高いジャローダに対して非常に強く出れる点も無視できません。
ちなみに【ねっぷう】で弱点をつける相手に関しては、サンダーの熱風とスピンロトムのエアスラッシュでは差はありません。数%スピンロトムの方が指数は上ですが、ジャローダやモロバレルなどへの確定数に影響はありません。
ここまで役割対象になりそうな相手に対しての誤魔化し性能を見てきましたが、どんな印象を抱かれたでしょうか。
何というか「中途半端だなあ」という印象を抱かれた方が多いと思います。
そうですね、私もそう思います。大体ウォッシュロトムとサンダーを足して2で割って羽休めを奪ったような性能となっています。単純に安定性という意味では技と能力が完全に噛み合った2匹の方が優れていますが(それは採用率でも裏打ちされていますが)、他のポケモンでは実現できない独特の誤魔化し範囲を持っていることもわかったかと思います。
サンダーと比較すると特に鈍足物理相手の弱体化や起点作り能力、対草能力に長けています。
耐久もサイクル戦に投入するにはギリギリ足りており、サンダーと似た誤魔化し範囲を持ちながらも広い範囲に鬼火と電磁波をばら撒ける【飛行ロトム】としての仕事をしっかりとこなせます。
技の選択には非常に悩まされます。
(育成論を修正した結果)確定技が4つ揃ってしまいましたが、ボルトチェンジや(鬼火の互換として)リフレクター、痛み分けなど採用したい技が多いです。
【鬼火ロトム】の王道としてはボルトチェンジの採用がメジャーですね。“後続に繋ぐ”という仕事を考えてもボルトチェンジは欲しくなる場面が多々あります。リフレクターはバシャーモ、ガルーラ、ガブリアスやメガボーマンダ、マンムーなどが複数入るパーティへの安定打として。痛み分けは足りない耐久を補うためと対耐久ポケモンへの技として欲しくなります。
しかし10万ボルトがなければメガギャラドスやマリルリに対して打点が足りなくなり、電磁波がなければストロングポイントである対メガギャラドス・対高速格闘が安定しません。鬼火は差別化として、そして対マリルリや対地面タイプに必須ですし、エアスラッシュは対草用の貴重な打点となります。
つまりこの型ではどれも切れない技です。
ボルトチェンジやリフレクターなどを採用する際は、また別の型で、ということになると思います。
型考察では【誤魔化し】という役割の都合上役割対象への受け出しをメインに立ち回りを考えましたが、実戦では当然思いがけない相手と対面することもあります。
そんな時でも鬼火と電磁波を両採用した今回のスピンロトムは、腐らずに多くの相手に状態異常をばら撒いていけます。鬼火や電磁波をほぼ無償で受け流せるパーティというのは非常に限られますね。この技を両立できることが【ロトム】の強さを支えています
優秀な耐性と鬼火を活かした物理誤魔化し型は、スピンロトムの個性を活かすという意味でも実用性という意味でも最適な型なのではないでしょうか。
・その他の型の可能性について
しかし、周りを見なければ決して弱くはないので、参考までに考察の跡を残しておきます。
サンムーン以降にスピンロトムを使おうとする物好きな人の参考になれば幸いです。
【両壁スピンロトム】
同タイプとの差別化だけなら実は両壁スピンロトムが一番適しています。壁張りはステータスに依存しない行動でスペック差も気にならなく、隙を作りやすい【ロトム】なので実用性も十分にあります。ガチ環境でも通用する型です。
しかし、弱点が草のみでどの構築を相手にしても安定感のあるウォッシュロトムと、強力な流し性能・交代強制力がありサイクル内での壁張りを得意としているヒートロトムの壁が厚すぎるので私の中で却下になりました。
もしかしたらスピンロトムによる壁張りが一番安定する構築や選出の並びも存在するかもしれませんが、今の私には思いつきません。バシャーモと並べるにしてもウォッシュロトムで十二分です。どうせ読まれませんし汎用性の塊ですし。
【こだわり眼鏡型】
まず、眼鏡型であろうとスカーフ型であろうと、ボルトロスとの差別化のためのトリックは確定です。同時にトリックを(起点技として)積極的に活かせる構築が求められます。ボルトロスには使い勝手のいい挑発や受けポケをゴリ押しできる悪巧みがあるので、単に持っているだけでは役割下位となります。
という前提から話を進めます。他FCロトムでは(ウォッシュロトムを除いて)恐らく一番持たれている持ち物【こだわりメガネ】ですが、スピンロトムに持たせると固有技の威力が低い関係で相手の交代先に負担をかけづらく、他FCロトムほどの爽快さも旨みもありません。
個性の出そうな眼鏡エアスラッシュも、H振りメガフシギバナやチョッキローブシン相手に確定で耐えられてしまう程度の低火力です。一応交代で出てきそうなガブリアスに対しては眼鏡エアスラッシュを確定2発に入れることができますが。
有効そうな並びは幾つかあります。
まずヘラクレセ系の並びにはエアスラや電気技を一貫させることができそうです。ヘラもスピンロトムの前で居座ることはさすがにないので、後続のポケモンに安定して眼鏡トリックを差すこともできそうです。しかしサザンドラやギルガルドが後ろに控えてそうな場合は注意が必要です。また、眼鏡ヒートロトムでも似たような動きが可能なのが気になります。
次にカバルカイリュー(アロー)などカバルドン起点の積みサイクルの並びです。カバルドンと対面することができれば初手からトリックを決められそうです。(ルカリオを使ってる身として)スピンロトムに対するルカリオの後投げはあり得ません。カバルドンか後続のもう一匹の積みエースに眼鏡トリックを決められたら一気に有利に試合を展開できそうです。ただし、初手カバルドンが見えているのであればカットロトムやウォッシュロトムで十分間に合っているのもひとつの事実です。
このように、「上手く立ち回れそうだけど他のFCロトムを差し置くほど?」というシチュエーションだらけなのが眼鏡スピンロトムになります。一番個性の出る対格闘も、第6世代までの環境ではFCロトム以上の素早さのポケモンがほとんどであるのも逆風です。完全にメガガルーラとそれに合わせて調整されたメガ格闘勢のせいですが。サンムーンで足の遅い格闘や炎等倍の草、虫タイプがより多く出てくれば、また状況は変わってくると思います。
もしくは【ぼうふう】を貰えれば化ける型ですね。
【こだわりスカーフ型】
しかしウォッシュロトムならハイドロポンプで、サンダーやボルトロスなら10万ボルトでH振りメガゲンガーを確定2発圏内に入れることができるのに対して、スピンロトムは上記のテンプレ調整をすると10万ボルトでもメガゲンガー相手にほぼ確定3発も同然の超低乱数2発の火力しか引き出せません。ちなみに仮想敵になりそうなメガミミロップ相手にもエアスラッシュを確定耐えされる体たらくです。
スカーフ型は奇襲タイプでもエースタイプでも遂行対象の相手を確定2発ないし確定1発に押し込める火力があるから強いのであって、負担を与えられないスカーフに存在価値はないというのが持論です。(というか一般論ですよね?)
先行ボルチェンによる対面操作、トリックによる起点作りはさすがに可能ですが、それこそスカーフスピンロトムを採用するメリットがあったとしてもデメリットの方が大きすぎて採用する気にはならない型です。仮に採用するのであれば【かみなり】は必須でしょう。メガゲンガーが確定2発になるのはもちろん、マリルリが中乱数1発圏内になるなど確定数が大きく変わります。
私がどんなに否定的でも現実ではスカーフ採用率は意外と高いので、もしかしたらガチ環境でも活躍できるのかもしれませんが。事前考察の通りトリックを除けばサンダーやボルトロスの完全下位互換なので、私が思っているよりもトリックが刺さるのかもしれません。
【ぼうふう】を貰えれば火力の杞憂はなくなるので一気にガチな型になると思います。
前語りの段階で「魔界ロトムには触れませんよ」的なこと匂わせておいて触れるという。何という無計画。解説はしないけどね。
まず前提として、メガヘラクロスを相手にした素早さ云々という話が物理誤魔化し型で出ましたが、それの解消を目指した型でした(過去形)。つまり最速ヘラクロスの上を取れる臆病最速での物理誤魔化し型ですね。この時点で【エアスラッシュ】と【おにび】が確定します。CSぶっぱにしても確定数が変わる敵はあまり居ないので、Cはほどほどに耐久調整をしようとしました。そして「高いSからマンムーやキノガッサの上を取り、オリジナルの物理誤魔化し型とは異なる範囲の敵に負担をかけることができます。ですが低耐久により繰り出し範囲が〜先発適性が〜」と結ぼうとしました。
一度結んで改めて考えたのです。最速スピンロトムで最も範囲を広げられる型を。
「あ、これ魔界ロトムでいいじゃん」
HSぶっぱd4振り(DL対策)でエアスラッシュ/鬼火/怪しい光/身代わり@残飯で確定です。
代わりにマンムーの氷柱張りは貫通するようになってしまいましたが。
(あれ?この型が一番強くない?)
というわけでスピンロトムについて長々と語らせていただきました。
そもそもの話この記事を読んでる方は「スピンロトムって使えないのかなー?」と思って検索してしまうような物好きで好奇心旺盛な方々だと思うので野暮なことは言いません。
まずは育てて使ってみましょう。
(暴風ください)
フライゴンの生きる道。第6世代育成論まとめ
(11/15追記)祝!サンムーンで!フライゴンが!なんと!【りゅうのまい】を習得!!!
第7世代でようやくドラゴンタイプとしてまともな強化をしてもらいました。
(貰うなら蝶の舞だと思ってたよ、ごめんよフライゴン)
これによりガブリアス、霊獣ランドロスとの明確かつ強力な差別化要素を得ました。
…でも、うーん…
耐性が優秀なので舞う暇は幾らでもどこでも作れますが、舞ってもエースとして全抜きできるほどの火力出せるかどうか…
ランク+1逆鱗でも指数はたった45,090です。
積みサイクルには十分組み込めますが、フライゴンの場合は基本的には火力補助というより、拘らずに速度補強をできるという考え方の方が良さそうですね。間違いなく弱くはありませんが、ガチパの積みエースにするには種族値が足りてません。カイリューの壁が厚いです。
まあポケモンにおいては“相手が想定すべき択が増える”というだけで絶対的な強化なので喜ばしいことですけどね。
龍舞するならAS珠フライゴンですかね。
書きたかったポケモンは書ききってしまった感があるので、既にある種の充足感に包まれております。
第6世代は育てたかったのに環境最前線に喰らいつける型を思いつけなかったばかりに育てられなかったポケモンも多く(またはパーティバランスの観点から候補から排除したり他に適したポケモンがいたり)、そういう意味では心残りもありますけどね。
ただマイナーなだけのポケモンやただ地雷的な型に関してはむかーーしからたくさん育ててまして、第6世代ではモチベーションが上がらなかったんですよね。どうせ局所的にしか活躍できませんし。
映画で活躍をしたりラティ兄妹に差し替えてエメラルドのオープニングに登場したり、第3世代の看板ポケモンとして推されていた印象が強いポケモンです。第4世代におけるルカリオみたいな立場でしょうか。総選挙においても100位内に残るなど、人気の高さも伺えます。
知り合いはビジュアルがあまり好きじゃないようなんですが…見た目も良いですよね?
何となく【エルマーとりゅう】を思い出すのは私だけじゃないと思います。
フライゴンは対戦の歴史においては比較的日陰の存在でした。(否、現在進行形で日陰です。)
第3世代では強いドラゴン技がなかったこと、また当時の仕様でドラゴンの攻撃属性が【特殊】だったことから、ドラゴンタイプというより地面タイプとしての側面が強いポケモンでした。
バランスよくまとまったステータスを持ち、さらにドラゴン・地面で特性浮遊を持つ独特なタイプ相性は当時から注目され、重宝されていました。(空を飛んでも雷が当たらず、穴に潜っても地震が当たらない、というアウトローのような性能は当時意味もなくワクワクさせられました)
この世代までは、スペックは足りないながらも圧倒的な個性を発揮できていました。しかし、そんな環境も第4世代で一変します。
第4世代では永遠の(一方的な)ライバルであり、第6世代で主人公の冠を得たガブリアスが登場します。ドラゴン・地面の複合タイプであり、600族、高速アタッカーとして十分なS102、A130という高い攻撃性能、タイプ一致で広い範囲を殲滅でき、最低ラインのCにより役割破壊も可能。さらに高いHから無振りでもそこそこの耐久を誇り、特にB方面は下手な物理受けより高い種族値を誇っている。もう非の打ち所がないですもんね。理想的なアタッカーです。フライゴンが霞むのは火を見るより明らかですね。
そういった事情により、第4世代においてフライゴンの採用率は激減しま……せんでした。
元より採用率が高くなかったという(悲しい)事情がひとつ、そして当時、今現在まで盛んに続くポケモンオンライン対戦の先駆けとなった【ポケモンバトルレボリューション】において、【高種族値は悪】【高スペックポケモンは悪】といった風潮が蔓延し、ガブリアスの採用率が伸びなかった事情も影響しました。バンギラスの【すなおこし】と組み合わせる、いわゆる【砂ガブ】が非常に嫌われていて強烈にヘイトを集めていたことも無視できません。近年ポケモンを始めた人には伝わりづらいかとは思いますが、当時のガブリアスは【悪代官】と呼ぶに相応しいポケモンでした。個人的には【主人公】の冠は未だに違和感を覚えます。
まあ、ガブリアスの採用率が伸びなかったと言っても第4世代の【結論パ】の固定メンバーとされる程度にはガチ勢と俺tueee勢の間で使われていましたけどね。
当時の主流はほぼ全てのガブリアスとボーマンダにタイマンで勝てる【龍星群+電光石火@気合いの襷】のフライゴンでした。AとCの種族値差や技威力の関係からCSベースであっても【だいちのちから】よりは【じしん】が好まれていました。
また、ガブリアスにはない【とんぼがえり】を活用した型や、その派生として【こだわりスカーフ】を巻いた個体もよく使われていました。
個性的で優秀な耐性と技範囲の広さから、どんなパーティにもすんなり入ることができるので、いわゆる【中堅パ】での使用率は高めだったのではないでしょうか。
第5世代では【レーティングバトル】の実装によりガチ志向のポケモントレーナーが増加。高スペックは悪、という風潮も時間と共にかなり薄れ、ガブリアスの採用率の増加とともにフライゴンの採用率は激減していきました。
従来通りの襷龍星群+フェイント型で、当時隆盛の時を迎えていた天候パのキングドラとドリュウズに有利は取れました。が、後続に控える天候起動役のポケモンには勝てず、また雨下のナットレイやサンダーにも安定して勝てませんでした。
その他ナットゲル(ブルンナット)やクレセローブなど、逆立ちしても勝てないような相手が数多く現れ、そのスペックの低さが露呈しました。ここに挙げたポケモンの多くには新600ドラゴンのサザンドラが似たような動きで有利に立ち回れたこともあり、フライゴンの立場はどんどんなくなっていきました。
しかし個性的で優秀な耐性は健在であり、相性補完の観点と【とんぼがえり】によるサイクル回しを期待してパーティに登用する人も一定数いました。この点に関しては霊獣ランドロスという強力なライバルが立ち塞がりますが、差別化等については後ほど触れると思います。
また、【はねやすめ】を覚えられたこと、比較的物理に強い耐性を持っていたこと、フライゴンに繰り出されるポケモンに毒々がよく刺さったことから、耐久型フライゴンも考察されていました。今でも稀に見かけるでしょうか?
第6世代に入ってもフライゴンにとっては状況はあまり好転しませんでした。
環境の高速化や高種族値化が進み上から高火力で潰されるようになったのも、行動回数が生命線のフライゴンには向かい風です。その点に関してはフライゴン自身もスカーフをよく持つことと後述の突撃チョッキのお陰である程度カバーされてはいます。
これらの要素により、環境の中でフライゴンの持つ役割がやや変化していったように感じます。
まずは【とつげきチョッキ】、これにより特殊誤魔化しの役割が増えました。元々炎・電気に耐性があり、スカーフ型等でそれらを始めとした特殊に繰り出すことはありましたが、採用率の高いめざめるパワー氷や冷凍ビーム、並程度しかない耐久により安定した後出しは困難でした。
しかし、突撃チョッキを持つことでそれらの攻撃を確2以下に抑え、後出しの安定化を実現しました。元々フルアタ適性の高いポケモンであり、無理なくチョッキを持てることも良かったです。
チョッキ型はとある実況者の方が使って有名になりましたが、フライゴン使いの方なら自然と辿り着く型のひとつではないでしょうか。地面タイプにチョッキを着せるのは第6世代のトレンドのひとつでしたね。
メガポケモンの追加はフライゴンにとって一つの向かい風であり、要求される火力ライン耐久ラインが全体的に底上げされたことで、相対的にフライゴンは弱体化しました。しかし味方メガポケモンの存在は追い風であり、元々エースを務めるより蜻蛉帰りによるサイクルサポートを得意としているフライゴンにとっては、自身の火力の低さを多少気にしないで済むようになる飛び抜けたエースポケモンの存在は数字以上に大きかったです。何より【蜻蛉によるサイクルサポート】を役割とした瞬間にガブリアスが比較対象から外れるのです。決して劣化ポケモンではありません。安易に劣化と切り捨てる人はポケモンの本質を見誤ってます。蜻蛉帰りを“メインに”採用することで名実共に別のポケモンとなるので、どんな型であろうと差別化を意識する必要はなくなりました。(第5世代までも同様に大きな差別化点にはなっていましたが、エースが場に及ぼす影響は第6世代のメガポケモンの方が遥かに大きかったです)
ここでフライゴンのスペックをおさらいしましょう。
タイプ:ドラゴン/じめん
特性:ふゆう
種族値:80-100-80-80-80-100
無効:じめん、でんき
半減:いわ、どく、ほのお
弱点:ドラゴン、フェアリー、こおり
主な物理技
主な特殊技
その他の技
地割れ、羽休め、毒々、追い風
目につくのはやはり優秀な耐性と平坦な種族値ですね。
メジャー所の攻撃に対して抵抗を持ち、弱点タイプは持ってるポケモンが非常に分かりやすいタイプばかりです。めざめるパワーも威力低下とジュエル廃止により持ってるポケモンは限られてきています。有利対面と不利対面がはっきりしている為、対面操作は比較的得意そうです……が、相手に与える負担が小さいせいで有利対面でも相手が平気で居座ってくることもあります。【先行蜻蛉】を撃つ際には気をつけましょう。
種族値は正しく可もなく不可もなく。スカーフを持てる最低限のA、弱点をつけば其れなりなC、高速に一歩足りないが激戦区に食い込むS、並の耐久。ポケモンは尖ってるところがある方が活躍できるゲームですので、そういった点ではあまり褒められない種族値バランスです。
キュウコンのように尖った側面や優秀なバッドステータス技、優秀な積み技があれば良かったのですが、それも無いので持ち物でカバーする他ありません。つまり拘り系アイテムや突撃チョッキですね。ゴツゴツメットも今後の環境次第では有り得ると思います。羽休めと合わせて相手のHPを削ることができます。ラムも一見ラムサザンドラやラムファイアローのような使い方ができそうですが、現状では種族値がついてこれるか、氷4倍が響かないかなど不安要素が大きすぎて現実的ではなさそうです。
これらのことを踏まえた上で、第6世代で実際にどんな型があったのか見てみましょう。
【襷フェイント基本型】
性格:C補正かS補正
持ち物:きあいのタスキ
努力値:CSベース
確定技:りゅうせいぐん/じしん/フェイント
古き良き襷フライゴンです。
…が、第6世代では姿はあまり見なくなりました。理由は前述したように“尖ったところがない”からですね。
C80からの龍星群の火力はたかが知れており、弱点(つまりドラゴン)ポケモンを倒すのが精一杯で、高スペック化が進んだ環境には付いていけませんでした。
個人的には第7世代では余程のことがない限り絶滅する型だと思っており、ここに書くのも悩んだくらいですが、①タイマン性能は一番高い型であり汎用性もカスタマイズ性も一応確保できること、②持ち味の技範囲の広さを活かせること、③恐らく一般にはまだ襷フェイントのイメージも残っているであろうこと、といった理由から残しました。書いてないと「なんで無いの?」と思う方もいると思いますし。
この型の一番弱い点はただでさえ火力のイマイチな龍星群が連打できない点ですね。言うまでもありませんが。大文字のような連打の効く高火力技があればまた評価も変わったかもしれません。が、第7世代で連打の効くメインウェポンが追加されるとも到底思えないので、絶滅危惧種に指定しました。
この型で知ってもらいたいことはひとつ。今日のテンプレは明日のテンプレ足り得ないということです。
今まで活躍しなかったポケモンでも、環境と型次第では活躍する芽があるということです。
ポケモン育成で大切なのは温故知新の精神とフロンティアスピリットです。
襷フライゴンの良かった点と悪かった点を知っておけば、今後の育成の手助けとなりましょう。
蝶の舞ください。
【物理スカーフ型】
性格:いじっぱりorようき
持ち物:こだわりスカーフ
努力値:ASベース、S削って耐久調整
確定技:じしん/とんぼがえり
何の変哲もないスカーフ型ですが、フライゴンの長所を如何なく発揮できる型です。事実oras時点ではスカーフ所持率が一番高くなっています。
明確な仮想敵が居ない限りは逆鱗までは確定になるかと思います。スカーフフライゴンは火力を求めるポケモンではありませんが、スカーフ型は奇襲型でもない限りはスイーパーの役目を担って貰うのがセオリーです。スカーフで特殊はどう足掻いても火力足りません。
立ち回りとしては、スカーフ蜻蛉ルチェン型ポケモンのセオリー通りに先鋒に投げてアドバンテージを取りに行ってもいいですし、優秀な耐性を利用し後投げからサイクルに介入してもいいでしょう。主な役割は対面操作と、それに伴いエースを数多く場に降臨させサイクル内で撃ち逃げをさせることです。龍ストッパー、炎ストッパーも担ってもらいます。
意地っ張りと陽気では確定数にズレが生じる仮想敵が多いです。具体的には性格補正をかけなければガブリアスやゲンガーに対して逆鱗で確定を取れません。また、馬鹿力で無振りメガガルーラに対して最低70%のダメージを与えることができ、これはゴツゴツメット2回と合わせることで確定を取れる数字です。元々火力がギリギリなポケモンなので、実戦では性格補正が欲しくなることは多いです。(H調整を施したメガサーナイトには、性格補正をかけなければ蜻蛉+地震で確定を取れなかったり)
しかしこれは飽くまで単体性能に目を向けた結果なので「少し火力が足りない程度なら蜻蛉帰りや後続でカバーすればいいや」と思ったり、メガバシャーモやウルガモス、メガリザードンなどを重く見る場合は陽気にしましょう。後述しますが、他にも見れる範囲がグッと広がります。メガゲンガーやサンダー、メガクチート(威嚇込み)に対する確定数は陽気でも意地っ張りでも変わりません。味方にメガクチートやメガハッサム、メガルカリオがいる場合は陽気の優先度が自然と上がると思います。
ステロも半減なので耐久調整をする具体的なメリットはそう多くありませんが、役割上攻撃に合わせて後出しすることが多く、耐久が多いに越したことはありません。先制技が飛び交う環境ですし。敢えてラインを決めるのであればH28-D4振りで無振りサンダーのめざ氷を確定耐え、H96-B4振りで陽気メガガルーラの猫騙し+不意討ちを確定耐えあたりです。
基礎スペックも特性も霊獣ランドロスの方が優秀ですからね。
差別化としては、まずタイプ相性が挙げられるかと思います。フライゴンは岩を半減、水を等倍に抑えることができ、炎も半減できる。これが差異です。しかし、岩タイプは霊獣ランドロスならばある程度威嚇で抑えることができ、水相手にはそもそもスカーフフライゴンも居座れません。炎技に対しては積極的に繰り出すことは可能ですが、メガバシャーモはフレアドライブに後出ししても直後にS逆転から確定を取られるので後出しできず、ファイアローはフレドラ+ブレバを抑えらません。リザXはニトロチャージや鬼火が怖いですし、エンテイにも聖なる炎の火傷の恐怖が付きまといます。つまりメジャー所の炎で安全に繰り出せるのは特殊炎のみであり、リザードンYとウルガモスを余程重く見るのでなければ差別化としては少し弱いです。これは一応第7世代で追加される炎タイプや特殊岩タイプ次第では変化する余地がありますね。
次に種族値です。勝っているのはSのみですね。しかしこれは大きそうです。当たり前ですが調整100族や最速100族に勝つ可能性が高いのはフライゴンの方です。ウルガモスやリザードン、メガバシャーモといったメジャーな炎タイプの多くは100族なので、その辺りを相手取る上でこのSは重要です。
また、(スカーフを前提として)準速の両者の間や最速の両者の間にいるポケモンの中にはマークが必要なポケモンも多く、そもそも(orasの環境まででは)意地っ張りスカーフが多い霊獣ランドロスとフライゴンとでは抜ける相手にかなり差が生まれそうです。
2匹の間にいるポケモンを簡単にまとめました。
こうやって見ると数字以上に差があるのがわかります。
欲張って最速を取りたくなりますね。数は少ないですが最速霊獣ランドロスとの差別化にもなりますし。
しかしこの範囲内に限っても随分と逆鱗の通りが良いため、このことは2匹の差別化にとても有益な情報となります。
まとめますと
・炎タイプへの隙を小さくしたい
・地面以外のメインウェポンを持ちたい
・最速80族〜準速最速100族までのポケモンの処理を安定させたい
フライゴンをパーティに組み込む際には、このことを頭の片隅に置いておきたいです。
(すごい当たり前のことを改めてまとめただけ)
炎、地面タイプに抵抗があり、電気をすかせ、逆鱗を誘えると考えると自然と選択していることかと思います。
鋼タイプはフライゴンの苦手なフェアリー、ドラゴン、氷を半減してくれるので横の並びとして最高の組み合わせですね。
3匹とも使い勝手のまるで違うポケモンなので、2メガ構築で上記3匹の中から2匹を選択するのもありです。
さらに上で散々Sラインについて話しましたが、上記の3匹はドラゴンに強く、強力な先制技も有してるため、Sラインをグッと下げて耐久に厚く振るのも悪くありません。(さっきまでの話は何だったのか)
というか環境にいるスカーフフライゴンに意地っ張りが多い理由もそこら辺が関係してますね。準速ASぶっぱ個体というのは私の知る限り多数派ではありませんでした。私はぶっぱ派でしたが。
Sラインの調整は、繰り出し性能を優先するか、対炎タイプや対中速ドラゴンを優先するかによって変わってきますね。
何はともあれ、これが第6世代で最もスタンダードな型であり、ひとつのテンプレでした。
火力の低さを周りでカバーしてあげれば非常に使いやすい型です。まあ、だから第4世代から使われ続けているんでしょうしね。
なまじ攻撃範囲が広いので、第7世代でもそう使い辛くなることはないと思います。
【鉢巻フライゴン】
性格:いじっぱりorようき
持ち物:こだわりハチマキ
努力値:HAS調整
確定技:げきりん/じしん/とんぼがえり
選択技:ばかぢから/ストーンエッジ/ほのおのパンチ
何の変哲もないハチマキ型ですが、フライゴンの中では少し異質な型かもしれません。
鉢巻蜻蛉帰りでサイクルを回して最後に鉢巻逆鱗で相手を“崩して”退場します。
意地っ張り鉢巻逆鱗の指数は45090と崩しには幾分足りないですが、鉢巻蜻蛉の17535と合わせることで指数62625となります。臆病メガリザードンYの晴れオーバーヒートが61717なので十分と言えるでしょう。もちろんサイクルの中で負担をかけるという性質上即効性には欠けますが、サイクルはフライゴンの唯一の得意領域です。後続のエースと波状的に相手に負荷をかけ続ける、攻撃的なフライゴンがこの型です。
鉢巻蜻蛉+鉢巻逆鱗+鉢巻逆鱗でB特化クレセリアが確定で落ちると言えば、そのポテンシャルが伝わるでしょうか。
はい。
火力足りてないですね。さすがフライゴン。
鉢巻なら意地っ張りHAベースS調整が多いかと思いますが、メガガルーラが憎い人は一考です。
スカーフ型で散々語った差別化ですが、鉢巻型では必要ありません。差別化対象がいません。もしかしたら全ての型で一番差別化を悩まない型かもしれません。
差別化対象はいませんが、フライゴン本来の長所を幾分削ってしまっているので、パーティ構築段階からフライゴンの立ち回りをしっかり意識していきたいです。具体的にはストロングポイントであった対炎性能、対ドラゴン性能が低下しています。上から一方的に潰されることが増えます。よって、メガポケモンはそれらのポケモンに強いポケモンを選択していきたいです。メガギャラドスやメガチルタリス、メガバンギラスなどが該当するでしょうか。メガはお馴染み鋼タイプにして、後ろにスイクンや化身ボルトロスを控えさせてもいいでしょう。鋼でないメガポケモンはそれぞれ横の並びが特別優れているわけではないので、もう一枠、もしくはパーティ単位での熟考が必要になるでしょう。
逆鱗×2だけでもB特化FCロトムをオボン込みで超超高乱数で持っていけます。
逆鱗×2だけでもB特化メガフシギバナを高乱数で持っていけます。
こう見ると「あれ?ありかな?」と思うでしょう?
ありだと思います。
採用率は現在スカーフが1位ですが、鉢巻もそれに肉薄してもいいと思うんですよね。
【チョッキフライゴン】
性格:いじっぱりorようき
持ち物:とつげきチョッキ
努力値:HDベースorHSベース
確定技:じしん/じわれ/とんぼがえり
選択技:がんせきふうじ/ストーンエッジ/ばかぢから/各炎技/各龍技
サイクル内で担う役割を対特殊方面に補強・拡張した型になります。【地面タイプのチョッキ型】ということで、動きなどは非常に理解しやすいのではないでしょうか。霊獣ランドロスやマンムー、ドリュウズにドサイドンにホルードと、地面タイプのチョッキポケモンは非常に数が多いですね。フライゴンは氷が4倍なので交代際のめざめるパワー氷だけは注意が必要ですが、ウルガモスやメガリザードンYに対して後出しが安定するのは魅力的です。
技のテンプレとしては一応【地震/岩封/地割れ/蜻蛉帰り】になるんですかね?特殊メインに技を組んでも良いとは思いますが、特殊アタッカーや受け相手に繰り出すことを考えると物理中心に組み立てたいです。蜻蛉帰りは枠争いの激しい地面チョッキポケモンの中で個性を出すために確定にしていますが、構築の関係上技範囲を確保したい場合は別に切っても構いません。
意地HDベースの場合でも岩石封じで最速115族を抜けるラインくらいまでSを振っておくと動きやすいです。特別意地っ張りである必然性はないので、必要に応じてDに補正をかけてもいいでしょう。HDベースであるならばメガゲンガーの攻撃は意識したいです。
陽気HSベースの場合の努力値振りは252-20-60-×-100-76がテンプレだと思います。というか私の調整ですが。HBを意地っ張りメガバシャーモの飛び膝蹴り最高乱数切り耐えまで伸ばし、Aは岩石封じ+地震でH振りメガゲンガーを確定ラインです。
一撃必殺技を持っているポケモンはチョッキとの相性が非常に良好なんですよね。
高い耐久と繰り出し性能から試行回数を稼ぐことができ、また足りない火力と搦め手を補うことができるので多くの場面で重宝します。採用側としては耐久崩しに毒々を搭載する感覚ですね。フルアタでも無理なく耐久崩しを可能にする一撃必殺技はチョッキとの相性が非常に良好な技です。
惜しいのは、地割れがクレセリアに当たらないことですね。
私調べで羽休めを覚えさせたいチョッキポケモンNO.1です。
【珠フライゴン】
性格:ひかえめorおくびょう
持ち物:いのちのたま
努力値:CSベース
確定技:りゅうせいぐん/だいちのちから
A無振りCぶっぱでも指数は地震>大地の力にも関わらず何故特殊ベースにする必要があったのかというと、威嚇込みでメガクチートを処理したかったからです。性格補正有りでH振りメガクチートを確定、補正無しでも高乱数で処理できます。
ほとんどその一芸のための存在ですが、他のメジャーなフライゴンが【スカーフ型】【鉢巻型】【チョッキ型】ということを考えると、唯一補助技を積極的に組み込める型ということになります。
受け出てくる耐久ポケモンに毒々を入れたり、守るバシャーモの前で追い風をしたりと、柔軟性とカスタマイズ性に富んだフライゴンになります。物理型で珠を持たない理由については蜻蛉帰りで耐久を削りたくなかったからです。耐久を削っても良ければ物理ベースで補助技を持って良いとこ取りも良いでしょう。
しかし特殊を軸にしても、珠があるので火力はそう悪くありません。
龍星群はH振りFCロトムを2連打でも確定。オボン込みならランク0を2発で確定。
Aに下降補正がかかっていても、珠馬鹿力でH振りバンギラスを高乱数1発。
このようにそう悪くはありませんが、決して火力が高いわけではないので過信はできません。そもそもCは80しかないので期待も少ないでしょうが。
第7世代では技次第で輝くこともあるでしょうか。
ガチ環境で実践する人はまずいないとは思いますが、アメモースとの相性補完は一方的に良いので蝶舞バトンの受け先としては一応優秀かと思います。
ついでに。物理基本型がない関係で話す機会もなかったですが、基本的にフライゴンはバトンの回し先として安定感を持っていました。バシャーモからは電磁波と地震を無効化しながらバトンを回せ、ペンドラーからは電磁波はもちろんのこと岩技と炎技を半減しながらバトンを回せました。
ビルド剣舞を回しても今一歩火力が足りないとされて使われなかったのかはわかりませんが、第7世代のバトンパでは是非ともフライゴンの姿を見たいものです。
フライゴンはガブリアスや霊獣ランドロスの劣化だと言われ続けてきました。実際にその2匹の方が高スペックかつ幅広いシチュエーションで活躍できるので仕方ない側面もあるのですが、フライゴンにはフライゴンにしかできない仕事を持っています。
第7世代で新ポケモンを育成する際には特にそうです。
そのポケモンは何ができて何ができないのか、それを頭で正確に理解しましょう。
そうすれば自ずと方針は見えてくると思います。