命中75%は当たる

主にxy・orasの育成論の【記録】を目的としています。サンムーンに向けて、温故知新の精神で。

バイバニラ徹底考察〜チョッキバイバニラのススメ〜

(11/11追記)サンムーンでまさかの【ゆきふらし】を獲得するそうですね。

霰パの起動役としてはユキノオー(もしくはアローラキュウコン)の方が遥かに優れているので霰パで起用されるとは到底思えませんが、他の特性が死に気味なため、スタンパでの起用でも雪降らしを採用して良いと思います。自身や後続の火力補助にもなり、またターンを消費せずにマルスケや襷を潰せるのは非常に強力です。

第6世代のフリーズドライに引き続き、素晴らしいセールスポイントを頂きました。吹雪の火力は一級品ですし、もう差別化なんて要りませんしネタポケモンとは言えませんね。

でも【ゆきふらし】からバイバニラに注目してこの記事を見に来た人にこれだけは言わせて欲しい。


バイバニラは第6世代から強かったよ!!!





とつげきチョッキ】って神アイテムだと思うんです。

フルアタの選択肢があるポケモン全てに適応できて、無条件でD一段階アップ。ぶっ壊れですか。
しかし受けに際して確3範囲が広がり、またサイクルにも強くなるため、毒々や羽休めを持たせたくなるという謎欲求にかられてしまう罪深いアイテム。



第5世代にて登場の比較的歴史の浅いポケモンですが、有名ですよね?
詳細な性能云々や型が有名なのではなく、【初代的種族値配分の犠牲者】として。

タイプ:こおり
特性:アイスボディ/くだけるよろい
71-95-85-110-95-79

もうね、目の肥えたベテランポケモントレーナーならタイプと特性と種族値見た段階でゲンナリしますよね。

氷単タイプって。
物理弱点だらけのタイプで砕ける鎧って。
S79って。
中耐久で両刀種族値って。

ちなみに合計種族値は御三家と同等の535です。
これで技のレパートリーもギギギアル並に絶望的に少ないのだから救いようがありません。

どれか一つでも違っていたら、恐らくもう少し違った評価を受けてたのかもしれません。
例えばレジアイスクレベースのような尖った種族値配分なら、例えばオニゴーリのようなユニークアビリティを持っていたなら、例えば岩/霊タイプで浮遊だったなら…
それはもう全く別のポケモンなので考えても仕方ないですけどね。

あ、ビジュアル種族値はきっちり535だと思います。
可愛い。

しかしネタにされながらも第5世代から一芸は持っていたポケモンでした。
特性【アイスボディ】持ちのポケモンポケモンの中ではオニゴーリ(S80)に次ぐ素早さのポケモンであり、合計耐久値はオニゴーリを上回っていました。
【ゆきふらし】のターン制限がなかった第5世代の霰パでの【無限】要員として、ある程度の存在感は持っていたのではないでしょうか。
しかし早いとはいえ中途半端な素早さ(と耐久)なので、上からの様々な攻撃を一度耐えてから展開できるトドゼルガの方が高い人気を誇っていたのは間違いないありません。トドゼルガは炎と鋼を等倍に抑えられたことも評価されています。
それでも雪トドの並びはキノガッサヒードランに上からひたすら蹂躙されるリスクが付きまとうので、最速でそれらの上を取れるバイバニラの絶妙(に足りないながらも中速域の半ばに位置するよう)なS種族値は数少ないストロングポイントでした。もちろん最速まで振らずとも、トドゼルガとは起点にできる範囲がやや異なるため採用の芽は十二分にあったと思います。
かなり不器用ながらも挑発だけはしっかり使える点も評価したいです。
あのキュートな笑顔で挑発されても腹立ちませんけどね。

しかし第6世代での天候特性の仕様変更により【無限バイバニラ】はあまり陽の目を見ることなく過去の型となってしまいました。

代わりにバイバニラはxyから新技【フリーズドライ】を習得しました。
フリーズドライとは氷タイプ威力70基礎命中率100%の技で、【本来ならば半減であるはずの水タイプに抜群を取れる】非常に珍しく優秀な効果を持つ技です。
水タイプ以外のタイプ相性には変化がないので、例えばギャラドスであれば水と飛行の両方に抜群に刺さり、4倍のダメージを与えられることとなります。
ついでにバッドステータス【こおり】付与10%の追加効果もしっかり持っています。

この技は全ての氷ポケモンに与えられたわけではなく、第6世代では有名なところでは何故かグレイシアが省かれて哀しみに包まれていましたね。

非常にレアな技であることがわかると思います。

そしてこの技のおかげでバイバニラ含めこれらの氷タイプのポケモンはかなり救済される形となりました。
フリーズドライで弱点をつけるタイプは水、草、地、飛、龍の5つ、半減されるタイプは炎、鋼、氷の3つです。
これは最も範囲の広い攻撃タイプの1つとして有名な地面タイプと同等(5抜群2半減1無効)です。
ただでさえ範囲の広かった氷属性攻撃の半減がひとつ抜群になることの強力さが伝わるかと思います。

ちなみによく使われる攻撃タイプの格闘タイプは5抜群5半減1無効、岩タイプは4抜群3半減となっています。
これらと比較しても同等どころか勝ってることがわかるかと思います。


さて、バイバニラにおいても他のポケモンにおいても、この優秀な攻撃範囲を誇る技を使用しないわけにはいきません。

つまりバイバニラを使う上では上の方で名前を挙げたポケモン達との差別化が必須となります。
愛や縛り精神だけで良ければ差別化なんて考える必要はありませんが。

ぱっと見て一番のライバルになりそうなのは、同タイプで似たような役割を持ち素早さと特殊耐久で上回る最速零度使いのフリージオでしょうか。

特に差別化は必要ありません。
物理耐久に差がありすぎます。【こおりのつぶて】の火力差も馬鹿になりません。使う人がどれだけいるかわかりませんが、バイバニラには【つららばり】や【だいばくはつ】もあります。

オニゴーリは通常・メガ共々違った独自の方向に突き進んでいるのでこれも差別化は不要でしょう。マンムーデリバードは言わずもがな。
アマルルガも比較する必要もないとは思いますが、一応絶対零度と氷の礫により全く異なる動きが可能です。

となると、①ある程度の物理特殊両耐久を兼ね揃え、②特殊ベースのポケモンで、③氷の礫と絶対零度を上手く扱える、そんなポケモンを意識した方が良さそうです。

そう、ラプラスフリーザーですね。

まずは数字から見て取れる情報として、特攻はバイバニラが一番高いです。フリーザーとも種族値で15の差があります。
これだけでも十分そうではありますが、上記の2匹は優秀なポケモンです。
念を押して確認しましょう。

ラプラスはその技のレパートリーの優秀さが特徴的ですね。様々なタイプの攻撃技に滅びの歌などの小技も兼ね揃えています。
しかし最大の特徴は、フリーズドライを習得したことによって、特性を考慮しなければ全てのポケモンにタイプ一致技で等倍以上を取れるようになったことです。それによって第6世代では【水技/フリーズドライ/氷の礫/絶対零度@とつげきチョッキ】の磐石な構成が誕生しました。特性【ちょすい】により、水技に積極的に繰り出せる点も無視できません。

フリーザーはお馴染み3鳥の1匹で、バイバニラより一回り以上硬い高水準の耐久が特徴的です。フリーザーはその耐久と特性【プレッシャー】を活かし、残飯まもみが、羽休めなどで相手のPPを削り隙を伺いながら絶対零度の試行回数を稼いでいく型や、他の氷ポケモンにはない暴風とフリーズドライによる独特の制圧範囲を活用する【フリーズドライ/ぼうふう/氷の礫/絶対零度@とつげきチョッキ】の型などが考案されています。


どうやらバイバニラと似た性能の2匹は突撃チョッキを着込むことが多いようです。

これは氷タイプの防御面の相性を考えてのことですね。
氷タイプの弱点は炎、岩、格闘、鋼となっています。これらのタイプは物理で弱点を突かれやすいタイプとなっており、物理方面に厚くするよりは特殊方面に厚くする方が効率的だろうとの考え方からです。
またフリーズドライを活かすために積極的に水タイプに繰り出していきたいのと、元々耐久が高く、そして無理なくフルアタにできる2匹がチョッキを着込めば、特殊方面に対し広く役割を持てるようになることが見込めるからです。

では似た性能のバイバニラはどうでしょうか。
2匹に劣っている点は純粋な耐久値の低さです。Hが控えめでBDも種族値が100を越えないので、お世辞にも硬いとは言えません。柔らかくもありませんが。
そして攻撃範囲の狭さ。
2匹とも複属性の一致技をどちらも採用することで範囲を広げていますが、バイバニラは単タイプです。また、他に覚える技も貧弱です。めざパ、ラスカノ、水の波動、騒ぐくらいでしょうか。
水の波動が一番範囲が広がりますが、タイプ不一致60技では弱点を突こうが誰も倒せません。これはかなり致命的です。
逆に勝っている点はどこでしょうか。
結論にいきましょう。

電気、草に対する抵抗(等倍)とミラーコートです


【チョッキバイバニラ
性格:ひかえめ
特性:くだけるよろい
個体値:6V(1箇所甘えるならAかB)
努力値:228-4-0-100-52-124
実数値:175-104-105-157-122(183)-115

努力値配分は調べて見つけたものをパク…参考にさせていただきました。オリジナルのものと違って端数の4はBではなくAに振っています。
技はこの4つで確定です。チョッキを着る上では他の技を持つ理由は米粒一つほどもありませんしこの4つの技が単純に超高性能で使いやすい上にバイバニラの中で範囲も一番広いです。4つの技全てが役割遂行技です絶対零度だけは役割破壊も兼ねてますけどね。サンムーンでよっぽど超高性能技が追加されない限り環境がどう変わろうが技構成は揺るぎません。
「氷タイプに役割?」そう思う人もいるとは思いますが、それを可能にするのが神アイテム【とつげきチョッキ】です。氷タイプはタイプ受けは不可能ですが、チョッキを着ることにより擬似的に数値受けを成り立たせます。それこそレジアイスみたいなものですね。
HとSの数値は自分が考えていたのと同じで、バイバニラの長所のCをできるだけ活かしたいと考えていた私にはこれ以上の調整は考えつきませんでした。というか、計算した結果、特に変更する理由も見つかりませんでした。Bに振る理由だけはないように感じたので申し訳程度の火力上昇のためにAに回しました。多少調整の余地はあるのかもしれませんが、これが第6世代のチョッキバイバニラのテンプレで良いと思います。もちろんサンムーンでは微調整が入るはずです。
H実数値は愛と信頼の175です。バニラにとって定数ダメージ-1は色んな場面で大事になります。S115は凍える風スイクンや準速バンギ+1のポケモン抜き。Sラインを115まで上げたスイクンもいるので、S実数値は+1してもいいかもしれません。ただスイクンを抜いてもフリーズドライは低乱数2発であり、後続圏内に入れることを考えないならば絶対零度を連打すべきです。後続に引かれることを考えても1サイクル目は絶対零度が安定行動ですかね。2サイクル目は後続のエース圏内に入れれば十分でしょう。
特殊耐久の目安としては、特化シャンデラの大文字が6.3%の低乱数だったり霊獣ボルトロスの気合玉を急所でも耐えたりでしょうか。無振りウォッシュロトムや無振りメガフシギバナあたりによる攻撃も乱数4発に抑えられており、チョッキ役としての仕事は十分にこなしてくれました。ミラーコートがあるので、これ以上Dラインを上げると逆に使いづらくなってしまうのではないでしょうか。現時点ですら襷ゲンガーにヘドロ爆弾を撃たれると【ミラコ+氷の礫】で確定では落とせません。一応高乱数では落とせますけど、チョッキミラコ型のジレンマですね。しっかりと自分への被ダメージ感覚を養っていくことが、チョッキミラコ型では大事になります。
物理耐久は特化ガブリアスストーンエッジを赤で確定耐えする程度、で伝わるでしょうか。鉢巻逆鱗はフライゴンクラスですら中乱数(50%)なので、まず耐えられません。しかし鉢巻カイリュー、テクニガッサ、メガクチート、この辺りの物理先制技は余裕を持って耐えることができます。これがフリージオと差別化を図る必要はないと一言で切り捨てた理由ですね。不意討ちを耐えるということは、天敵鋼タイプであるメガクチート対面でも30%の確率で勝つことができるということです絶対零度、強い技ですね。S115未満のポケモン全てに勝ち筋を残せる強力無比な技です。
攻撃面は…と言っても通常攻撃はフリーズドライしかありませんが、フリーズドライも性格控えめを選択しただけあってしっかりと役割対象へ火力を供給してくれました。
具体的には…
H252振りウォッシュロトムをオボン込み確定2発
H252振りギャラドスを確定1発
H4振りメガギャラドスを超高乱数2発
HD特化トリトドンを確定2発(急所で確定1発)
H252サンダーを確定2発(電磁羽は零度)
H4振りジャローダを確定2発(1発+礫でも確定)
あたりですかね。十分なダメージを出せていました。
ちなみにスイクンに高乱数2発〜確定2発を取りたい場合は最低でも実数値167(努力値172)まで上げる必要があります。この型では現実的ではないので諦めました。しかしそもそもスイクンのランク+6の熱湯ですら3/4も入らないので、瞑想スイクンに対して絶対零度を当てる自信のない方は永遠にミラーコートを選択し続けてあげましょう。


ここまでで何となく気がついている方もいるかもしれませんが、チョッキバイバニラは氷タイプでありながら当初からドラゴンを役割対象に設定していませんでした。今でも対ドラゴンは他のポケモンとの共同作業です。ついでにランドにもちょっと甘いです。
選出画面で氷4倍のポケモンがいたら「ああ、氷の礫で縛れる状況が作れたらいいなあ」程度には思います。思いますが、「まあ適当なタイミングで礫で削ってくれればいいや」程度に考えて使用していました。
氷タイプで尚且つ役割上相手からの攻撃を受けることが多いので、必要に迫られない限りはあまり無理はさせられません。耐久にも不安が残りますし。選出画面でしっかりと相手を見定め、役割通りの【対等倍特殊】【対耐久】の仕事をさせてあげることが大切です。


そもそも、何故私が「あ、バイバニラ良いじゃん!バイバニラ育てよう!」なんて思ったのか。

「(物理ルカリオインファイトの障害となる)ギャラドスサンダーボルトクレセフシギバナランドあたりに有利取れるイケメンいないかなあ……バンギは岩技の命中率とギャラランドがなあ……あれ?フリドラ一貫してね?」

フリドラ使えてチョッキと相性良くて電気が弱点にならないだけで素晴らしいのに、S115未満のポケモンには無条件土下座を強いて、生きてる限りランドガブカイリューに礫のプレッシャーを与え続ける。

まさに理想的なポケモンでした。
サンダーボルトやフシギバナの相手をさせたかったからラプラスフリーザーじゃ駄目だったんですよね。
フシギバナ対面では絶対零度しか使いませんが。
処理が厄介なクレセリアやポリゴン2にも絶対零度でゴリゴリ圧力を掛けられるのが素晴らしいですね。
バイバニラにすることで、ジャローダウォッシュロトムに対しても隙が少なくなったのは良かった点です。
絶対零度という最強の攻撃技やミラーコート、ダメ押しの氷の礫があるため、フリーズドライの威力70の物足りなさが気にならないのがバイバニラの素晴らしいところですね。


ルカリオとは縦の相性こそ最高なものの(当たり前ですが)横の相性が最悪でしたのでバニラ入りルカリオスタンは割りと早くに解散してしまいましたが、それでも他の構築に何気なく突っ込んで遊んでみると意外なところで2タテ3タテしてくれて非常に楽しかったです。

少なくとも全く弱くありません。
バイバニラは弱いなどと宣う方にはエアプ認定をしてあげましょう。
グレイシアの方が遥かに弱いです(謎煽り)

活用の仕方がわからなく育てたことがなかった!
という方は、是非育ててみてください。
サンムーンのレート環境がどうなるかはわかりませんが、意外と役割範囲の広いポケモンですので、第6世代以上に物理偏重な環境にでもならない限りはそれなりに活躍できることをお約束致します。


最後になりますが、ざっくり思いつく限りの役割対象を列挙してしましょうか。
上から優先順位高い順です。

役割対象
特殊電気、特殊水
ギャラドストリトドンなどのフリドラ4倍勢
クレセリア、ラッキー、ピクシー等の耐久
その他等倍特殊(霊、超、妖、草など)
ドラゴンタイプ、マリルリ、ポリゴン2など


バシャーモギャラドスボーマンダなどのサポーターとしてはなかなか相性の良いポケモンなのかもしれませんね。



あ、砕ける鎧…?

存在を忘れた頃に役に立ちます(忘れてた)

どうせ物理は2回は耐えないのでデメリットは一切ありません。

しかし表面が凍ったアイスクリームなんですね。
冷凍庫から出したばっかりかな?


キュウコンの今までとこれから。育成論まとめ

書きたいことがあれば全て書くのが私のジャスティス。
目的は【記録】だからね。多少の長文はね?
読みやすさより情報量を優先しています。温故知新の精神で。
育成論は遥か後方に。



キュウコン

初代からいるポケモンで、そのビジュアルから大人のお友達に高い人気を誇るポケモンです。
初代ではウインディ系列の対となるポケモンとして登場。ラフレシア-ウツボットと共に、“同じ石で進化する対のポケモン”の先駆けとなりました。※ここでの【対のポケモン】は、セット発売されたバージョンの片方にしか野生で出現しないポケモンと定義。
第7世代ではガラパゴス化(リージョンフォルム?)したロコンやキュウコンが登場することが公表されています。タイプが変わることから、覚える技や特性、もしかしたら種族値までもが変わることが予想されるため、対戦においては全く別の新ポケモンと扱われるようになるかもしれません。
(11/11追記)アローラでは氷・フェアリータイプとなり、隠れ特性で【ゆきふらし】を獲得、さらに種族値は無駄なAをSに回されS109となるそうです。まるで違うポケモンですね。Cが上がらなかったので、日照りキュウコンと異なり低火力過ぎてそこまで流行らなそうですが、果たしてどうなるか。
そしてその種族値の変更を何故通常フォルムにも適応しなかったのか。訴訟。

対戦環境においては、長らく不遇のポケモンでした。
まず、炎タイプというだけで不遇の時代が長かったですからね。
第3世代でバシャーモがこらカム起死回生で躍進を、第4世代でゴウカザルが役割理論の破壊者として台頭するまではイマイチぱっとした活躍がないタイプでした。

キュウコンは第5世代で特性【ひでり】を獲得。それまでグラードンカイオーガ専用特性だった2つの特性がキュウコンニョロトノに与えられました。
これにより第5世代は、既に一般ポケモンに解禁されていた砂・霰と合わせて天候パーティが対戦環境を支配する時代となりました。もちろん天候に依存しない構築も数多く誕生しましたが、それらの構築も対天候を意識したものがほとんどでした。しかし、キュウコンスタンや特に晴れパーティと呼ばれるようなパーティの数は、決して多いとは言えないものでした。
大きな理由として、晴れエースの不在。雨パにおけるキングドラ・ルンパッパ、砂パにおけるドリュウズガブリアス、霰パにおけるトドゼルガといった、天候と強力なシナジーを発揮するポケモンが存在しなかったことが挙げられます。【ようりょくそ】で【ソーラービーム】を放てるポケモンが本来であればそれに当たるのですが、①葉緑素持ちに高スペックで範囲の広いアタッカーがいない、②ソーラービームは天候を書き換えられると致命的な隙を作る、③そもそも草タイプの技が環境に刺さらない(抵抗タイプが多い)などの理由から、積極採用する人は少なかったです。

また、キュウコン自体が環境に刺さりづらいという理由もありました。
まず、大流行した砂パと雨パの始動役であるポケモンに弱く、それらのポケモンとの偶発対面ではSの関係からかなりの高確率で天候を支配されてしまうという致命的な欠点がありました。また相手のパーティに1匹はいるであろうドラゴンエースに不利対面を作ってしまい、当時の主流であった補助技主体のキュウコンではクレセドランの並びに無力であるなど、常に逆風が吹き荒れてました。霰パの数も比較的少ないもののノオースタンがよく使われていたのは、ユキノオー自体が砂・雨の天候始動役に強く、そもそも草+氷の範囲が比較的広く、霰の効果で襷やマルスケを潰せ、ユキノオー自体のスペックも低くなく、【ノオースタン】と呼ばれるパーティが第4世代から熱心に研究され完成度の高い構築だった等の理由によるものでした。

このように、キュウコンスタンやキュウコン自体には【ひでり】を持ってしても余りある欠点があり、「晴れやキュウコンが刺さっているから使う」ではなく「晴れで強いパーティを組んでみる」というフロンティア精神で構築を考えていた人が大半であったように思います。
キュウコンスタンに必ずと言っていいほど採用されていたクレセリアの【つきのひかり】も天候書き換えで効果が激減しますし…ゲーフリは晴れに何の恨みがあるんですかね…。

そんな中でも第5世代ではレート順位一桁に乗せた晴れパも登場しました。
【過剰晴れ】
ボーマンダが大好きだった私も当時衝撃を受け大いに参考にさせて頂いたことがあります。もちろんルカリオ入りなので参考にできるのは考え方くらいでしたが。
キュウコンの火力で相手パーティ(特に物理受けや鋼タイプ)に負担をかけ、相手のアタッカーはゾンビのようなクレセリアで削り、〆に天候依存のない物理エースを通していく。もしくはエースで崩し、キュウコンクレセリアで詰める。
このスタンスはorasのキュウコンスタンにおいても変わらない、恐らく第7世代においてもスタンダードな構築の組み方になるのではないでしょうか。天候始動役がサポーターやクッション、奇襲役になりがちな他天候パとはやや異なる運用の仕方ですね。スカーフを巻かずともSがあるキュウコンだからこその立ち回りと言えると思います。

そんな中xy・orasでは【ひでり】持ちの新ポケモンメガリザードンYが登場しました。
メガリザードンYは、キュウコンと同速で眼鏡キュウコン以上の火力を持ち、キュウコンより技範囲が広いとあって、その脅威のスペックに登場当時はキュウコンの立場が危ぶまれました。
しかし依然として強力な晴れエースがいない現状では、メガ枠の観点から全く別のポケモンである、との一般論に落ち着きました。(リザードンYは晴れ起動役であると同時に自身が晴れエースであるというのも確かな事実ですが)
キュウコンにとって第6世代は、リザードンYという比較対象が現れたことよりも、バシャーモファイアローの2匹に炎枠をほぼ占領されてしまったことの方が影響は大きかったのではないでしょうか。ヒードランエンテイウルガモスといった高スペックのポケモンの存在も気になります。特にヒードランとはクレセリアのペアとして枠を争うライバルとなります。(役割はまるで違いますが)


(少し追記)
…少し話が脱線します。
中には、環境の高速化や高種族値化が進んだ第6世代の環境にキュウコンはさすがについていけない、と語る人がいます。
それは半分事実です。いや、80%は事実でしょう。
bw・bw2でも辛い環境だったのに、xy・orasに入ってから、キュウコンを上から殴ることができるエースポケモンが増え、耐久の心許ないキュウコンは技を撃つこともなく出落ちすることも確かに増えました。
かと言って、物理偏重の環境では多少耐久に振ったところでたかが知れています。

しかし、本当についていけないのでしょうか?
確かにキュウコンで高レートを達成したという話はあまり聞きません。しかし、キュウコン入りでレート2000・2100を越えた構築が複数存在することも事実です。

思い出してみてください。
キュウコンと比較されるメガリザードンYのS種族値と役割を。
それぞれの耐久を。

メガポケモンと比較して、そこまで極端に劣っているでしょうか?
ほぼ全てにおいて勝っているメガリザードンYとの火力差も、実は絶望するほどの差はありません。
メガリザードンYのオバヒ:61717
キュウコンの眼鏡オバヒ:58353
撃ちわけできる珠オバヒでは50000強まで落ちますが、それも悪巧みで2倍補強できます。
サブウェポンについても当然似たような差が生じますが、上に同じです。

これだけの火力を供給しながらも、メガ枠を消費しません。
つまりメガガルーラを始めとした強力なメガポケモンと同時選出することができるのです。


…とまあ頑張って持ち上げてみても、辛いことには変わりなかったんですけどね。
珠じゃメガガルーラに確定取ることもできないので。
【対面厨パ】と呼ばれるようなパーティにも出すに出せなかったですし。

しかし、絶望するようなスペックではないと思っているのは事実です。
一般ポケでキュウコンの炎技並の高火力を出せるポケモンなんてポリゴンZの【眼鏡適応力さわぐ】とか、そういう最高峰のC持ってるポケモンくらいですしね。あとは眼鏡ニョロトノとか眼鏡ニンフィアとか。
これらのポケモンはレートでも実績のあるポケモン達です。
一芸があれば活躍できるのがポケモン
一芸を持ち、そういう特別な域にいるポケモンキュウコンであると、私はここに改めて記しておきたいと思います。(追記終了)


閑話休題、前述の通り炎タイプはとにかく枠争いが熾烈ですが、炎の高火力特殊アタッカーのみに絞ってもキュウコンにはライバルが多いです。
相手の水タイプに高い打点が持て、キュウコンに近い特殊炎火力が出せるポケモンキュウコンのライバルに当たります。つまりシャンデラウルガモスですね。育成論に移る前に、簡単にこの2匹との差別化点を考察したいと思います。


シャンデラに勝っている点】
・水タイプに対する抵抗(晴れにより等倍)
・耐性は少ないが弱点も少ない
・炎技の火力はごく僅かながら上回る(草技の火力は実は負ける)
・S種族値差が20ある
・特殊耐久(数字では勝るが実耐久の差はあまりない)
・高いSからの催眠術・金縛り(小技の数はゴーストであるシャンデラが勝る)
・イカサマが使える
・晴れフレアドライブによる物理もいける
・悪巧みによる受けポケ崩し性能が高い

ウルガモスに勝っている点】
・水タイプに対する抵抗(晴れにより等倍)
・4倍弱点がない、ステロによる割合ダメージが少ない
ファイアローに対して(申し訳程度に)強い
・炎技の火力は僅かに上回る
・草技の火力
・イカサマが使える
・催眠術や金縛りといった小技が多い
・晴れフレアドライブによる物理もいける
・瞬発力は蝶の舞よりも悪巧みが勝る


以上のことから、キュウコンに採用理由を見出したい時は
・とにかく特殊炎の圧倒的な火力が欲しい
・パーティ単位で特定の水タイプが重いが炎タイプを採用したい
・80〜99族の間に抜きたい仮想敵が存在する
・ゲンガーを始めとした霊・悪タイプに隙を作りたくない
カイリューなどステロが致命的なポケモンが既にパーティ内にいる
・岩石封じを安定行動にさせたくない
・パーティ単位でファイアローが重い
これらのことを強く意識していきたいところです。天候パが少ない現状では【ひでり】は自バフとしての役割くらいしかないのが少し悲しいですね。第5世代では天候特性というそれだけで採用理由足り得ました。

第5世代では対ウルガモス等に隙を作らないジュエルフレアドライブ型キュウコンもいました。他の炎特殊アタッカーと異なり物理でも一定の火力を供給できるのは強みですね。
しかし物理技の選択肢がほとんどなく、A種族値も76しかないので炎技以外の火力には到底期待できません。メタが進んだ環境中盤以降の地雷枠のような型でしょうか。


【珠エース型】
性格:おくびょう
特性:ひでり
持ち物:いのちのたま
個体値:cdが30のめざ地個体
努力値:c248s252 h4 b4
オーバーヒート/ソーラービーム/めざめるパワーじめん/わるだくみ

第6世代で恐らくスタンダードだった珠キュウコンです。
第6世代においては単純な所持率だと暑い岩が一番多かったみたいですが……前述の通り(晴れエース不在のため)晴れを+3ターン持続する旨みがないので、採用してる人がどんな意図で持たせてるのかは不明です。メガヘルガーとか葉緑素ポケモンをエースとして使ってたんですかね?リザYだと5ターンしか継続できないので確かに差別化にはなりますし、晴れエースがいるのであれば優先して持たせたい道具です。
※投稿後PGLを確認したら、終盤のシーズンでは所持してる持ち物は珠が一番多かったです(序盤は岩とボタン)。型が周知されたのか晴れパを使う人が減ったのかは不明ですが、まあ両方なんでしょうね。

この型はキュウコンの最大の特徴である【一般ポケモン最高の特殊炎火力】という長所を伸ばした型です。珠悪巧みにより半減程度の相手ならオーバーヒートで吹き飛ばせます。悪巧みを積む隙がなくとも珠オーバーヒートで受け出てくる無振りドラゴンのHPを半分持っていけるので、有利にサイクルを回すことができます。
技はこの4つで確定です。第7世代以降、もしかしたら大文字やサイコショック、他タイプのめざパを採用することがあるかもしれませんが、第6世代では大きなメリットはありませんでした。
ソーラービーム】は言わずもがな、キュウコンの採用理由に直結する技です。H4振りでも、よくいるB特化のウォッシュロトムハイドロポンプが超低乱数2発なので、多くの水タイプに強く出れます。
【オーバーヒート】はキュウコンの最大火力技として。悪巧みを積むので連打のきく【だいもんじ】を採用したいところですが…晴れと珠の補正が入るのに火力が足りません。具体的にはガブリアスはオーバーヒートだと超高乱数2発ですが、大文字だと確定3発になり繰り出しが安定してしまいます。その他H252振りグライオンボルトロス、ラッキーなど、オーバーヒートなら確定なのに大文字だと中乱数低乱数になるポケモンが数多く存在します。H252ヒートロトムも高乱数2発が確定3発になりますね。相手に予想外の火力を押しつけたりサイクルを崩壊させるという意味でもオーバーヒートを採用したいです。ランク下降は事前の悪巧みで相殺することもできるのでデメリットが軽減されることも大きいですね。
【めざめるパワー】は天敵のヒードラン対策。めざパ地面を持つことによって、例えば【ヘラクレセドラン】のような並びであれば1匹で壊滅させることができます。
【わるだくみ】はコンセプトであり、差別化点でもあり、遂行範囲を広げる意味でも確定です。珠であるならばフルアタにするのもありだとは思いますが、そもそも他の攻撃技を持っても大して範囲は広がりません。【みがわり】はオーバーヒートと致命的に相性が悪いので、採用するのであれば大文字身代わり型になるでしょうか。ラムを持たせたくなりますね。

性格は範囲を広げるための臆病。控えめでも中速域のポケモンを抜き去ることはできますが、調整したり準速を取ってる100族も多く、激戦区の100族最速個体同士であっても50%の勝負に出れる最速は切れません。また、天候を奪えば最速ドリュウズの上も取れます(この為、第5世代ではほとんどのキュウコンがこのラインまでSを振っていました)。相手の選出次第では受けループにも強く出れるため、確実にグライオンの上を取っておきたいというのもあります。ラッキーはランク+6晴れオバヒでほぼ全ての個体が確定1発で、D252振り個体ですら超高乱数1発で飛ばします。

キュウコン自体は比較的低スペック気味のポケモンですが、1ターン目から指数50000越えの火力を供給できる素早いポケモンが弱いわけはありませんよね。


【眼鏡型】
性格:おくびょう推奨
特性:ひでり
持ち物:こだわりメガネ
個体値:cd30のめざ地個体or5V
努力値:c248 s252 h4 b4
オーバーヒート/ソーラービーム/めざめるパワー地面/だいもんじ

何の変哲もない眼鏡型です。技は特に触れる余地はないでしょうか。第5世代では眠りターンのリセットがあったので【ねごと】も採用されていました。
性格は臆病推奨です。眼鏡晴れオバヒでh4振りメガガルーラが確定1発になります。その他にも珠悪巧み型と同様の理由で最速にしたいところです。
ポケモンにおける一般論で語るならば控えめHCベースの眼鏡型もありになると思いますが、キュウコンに関しては積極採用したくない調整です。中途半端なSラインでDが高く火力が一歩足りないので一見向いてそうな型ですが、ライバルの壁が高すぎます。
そもそもHC眼鏡型は何度も場に後出しし撃ち逃げすることで相手を崩すことを役割としています。
しかし、キュウコンとは比べ物にならないほど高い繰り出し性能と相手のサイクルに強制介入できる専用技マグマストームを有するヒードランや、優秀な耐性にメインウェポンの高い一貫性を持ち、すり抜けにより身代わり光の壁を恐れる必要のないシャンデラと比較し、HCキュウコンを後投げできる場面も採用するメリットもそう多くありません。
よって、初手から出て行き、試合の序盤から積極的に相手を崩していく最速眼鏡型がキュウコンには向いています。幸い火力だけは一級品ですし、ヒードランシャンデラとも無理なく差別化することが可能です。ちょっとSラインは低めなものの、臆病ラティオスの眼鏡龍星群以上の火力を供給できると考えれば、古くからのポケモントレーナーには伝わりやすいでしょうか。
晴れ眼鏡オバヒでH252サンダーを確1で、無振りギャラドスを確2で、HDボルトロスには連発することでオボン込みでも超高乱数で持っていくことができます。
無邪気ゲッコウガ(水)に至っては、半減にも関わらず中乱数1発で落ちます。

この型の欠点はキュウコンのセールスポイントである【ソーラービーム】がやや撃ちにくくなることです。
基礎ステータスの低さから炎技以外で拘ってしまうとガンガン起点にされてしまうので、選出の際は相手のエースをしっかりと意識して起点にされないような、されてもカバーできるような立ち回りが求められます。



【チョッキ型】
性格:ひかえめ
特性:ひでり
メイン技/ソーラービーム/めざめるパワー地面/@選択

第6世代において少数ながら見かけたチョッキキュウコンです。
チョッキの所持率は高くなかったようですが、チョッキらしく中火力程度の特殊アタッカーは正面から止めることができ、晴れオバヒでシャンデラ程度の火力は確保できているので個人的にはまずまず使いやすかったです。
H振りだけでは後投げには心許なかった耐久をチョッキでカバーし、数多くの特殊アタッカーと撃ちあえるようにした型になります。
発想の起点は「フェアリーに厚くしたいけどウォッシュロトムを自由にさせるのは癪だなあ」だったと思います。
メイン技の選択肢は【オーバーヒート】【だいもんじ】【かえんほうしゃ】、選択技としては【ニトロチャージ】【かえんほうしゃ】【サイコショック】【れんごく】などが挙げられるでしょうか。
数の少なさからかCラインもDラインもSラインもテンプレになるような調整が見つからなかったので、参考までに私が実際に使用していた個体を紹介します。ちなみに自信のある調整ではないどころか変更の余地は大有りです。(なら直せって?他のキュウコンが強くてさ…)
しかし、低スペック故にあちらを立てればこちらが立たずといった状態になりがちなのが頭を悩ませます。

努力値:H84-B20-C248-D96-S60
実数値:159-×-98-145-132-128
大文字/ソーラービーム/めざ地/オーバーヒート

HD…メガゲンガーのヘド爆2発+毒ダメ1回まで確定耐え
C…足りないのでぶっぱ、207-135スイクンソーラービームが76%の乱数2発
S…準速75族抜き
B…余り、一応意地ガブの逆鱗が低乱数

第6世代の特殊アタッカー代表としてメガゲンガーを意識した調整にしました。偶発対面なら相討ち以上に持っていくことができます。
一応一番参考にした方の記事では【シャドボ+ヘド爆+毒ダメ1回最高乱数2連切り耐え】で、後出しからの【ニトチャ+オバヒ】でメガゲンガーを狩れるようにしていましたが、私のパーティではゲンガーを重く見ていなかったので「相討ちにできればいいや、1回だけ後投げできればオバヒで持っていけるかもしれないしいいや」と思い【ニトロチャージ】は切りました。仮想敵というより、あくまで広範囲と撃ちあえる目安としての調整ですね。ゲンガーが重いパーティであるならばめざ地を切ってニトチャを採用すべきです。その場合は有名なチョッキエンテイなんかと似たような運用の仕方になるかと思います。
一応ここまで耐久に振ると臆病眼鏡ウォッシュロトムハイドロポンプが低乱数2発になります。その他の目安としては、無振りスイクンの熱湯は乱数6発に、珠霊獣ボルトロスの10万ボルトや眼鏡ライコウの10万ボルトがぴったり確定3発に、テンプレ調整のメガライボルトの10万ボルトが超超低乱数3発になることでしょうか。
準速75族抜きはメガヘラ意識です。メガヘラを意識するならば本来ならば最速個体まで抜いておきたいですが、そこまでSラインを上げるならばCSベースかキュウコンも臆病個体にした方がいいことから準速抜きに(妥協)しました。Sにあまり振らないとしても、少しの努力値で満たせるので準速70族抜きまでは振るべきですね。
ちなみにこのキュウコンではクレセリアが突破できないので、対ヘラクレセドランを任せるには力不足です。エルフドランならいけるんですけどね。

こうやって書くと活躍させるイメージも湧かないかと思いますが、特に(xy・orasにおける)レート1500〜1800前後だと炎タイプの処理をウォッシュロトムスイクン、トノラグなどの水タイプに依存してるパーティは多く、有利にサイクルを回せることは多かったです。チョッキも全く警戒されていないようでした(当たり前)。
その他喜んで出てくるクレセリアやドラゴン、バシャーモなどのケアを後続できっちりとしたいところです。マリルリに対するダメージがやや足りてないのが、運用していて非常に惜しかった点ですね。
ここまであえて触れなかった【れんごく】については、ドラゴンなどの後出しが見える状況は多いので、そういう有利対面時に撃つ技としては命中50%でもそう悪くないと思います。高スペックなポケモンではないため、そういったミドルリスク・ミドルリターンの技で打破できるシチュエーションがあるのであれば、採用を考えたい技です。



【毒みが型】
性格:おくびょう
特性:ひでり
持ち物:たべのこし
努力値:h228 d100 s180、もしくはS252残り耐久
かえんほうしゃ/みがわり/まもるorかなしばり/どくどく

古き良き【毒みがキュウコン】です。
私が第4世代〜第5世代で愛用していたキュウコンでもあります。
【毒みがしば】と【毒みがまも】は一長一短ですね。金縛りであれば有効打を1つしか持たない相手を嵌めることができます。2つ以上有効打を持っていても相手の特定の技を縛り攻撃範囲を狭めることで後続への交換を安定させることができます。守るであれば、キュウコンより遅い相手は毒殺も簡単になりますし、早い相手でも毒ダメージを稼いでからの交換が安定します。みがしばはその性質上、耐久ポケモンに対して絶大な力を発揮しますね。みがまもは相手の熾烈な攻撃を受け流すことができます。
Dに100振ることで晴れ下でスイクンの熱湯を身代わりが確定耐えしますが、必要性を感じなければ最速にしていいと思います。
特性は日照りです。相性を無視して数の多い水タイプの耐久ポケモンに対して強く出れるようになり、さらにドリュウズを縛れる点は魅力です。…と言うのが定説ですが、貰い火金縛り型であれば意外な炎タイプを起点にできるかもしれません。軍鶏、猿、シャンデリア、ハヤブサモスラ、XYドラゴンなど……当然型によりますが、貰い火キュウコンに等倍以上で通る技が1つしかないという炎ポケモンは意外と存在します。第4世代のテンプレ猿なんかは貰い火金縛りキュウコンの良い起点でした。もしかしたら第7世代において、キュウコンの特性を貰い火にした方が良い瞬間が訪れるかもしれません。
という考え方を、頭の片隅に置いて貰えれば幸いです。

ある程度Sがあり(わかりやすく受けられるため)交代を誘発しやすいポケモンの毒まも毒しばが弱いわけがないので、もしかしたら第7世代以降も最も変わらなく最も環境に左右されずに安定して動けるキュウコンの型かもしれません。
後続にはスカーフエースを差してもいいでしょうし、【無限グライオン】や【ねむねご】ポケモンで厄介なポケモンの毒殺ルートを構築してもいいと思います。



キュウコンにはここまで紹介した型の他に、対カバルドンドリュウズでの天候取り合戦を意識した【風船型】、電磁波や草タイプ・ゲンガーの催眠技を嫌って安定を求めた【ラム型】、逆に60%で爆アドを取りに行く【催眠術型】、特定のパーティをメタり受動的に積んでいく【弱点保険型】、一部のポケモンにはチョッキ以上に刺さり鬼火も持てるようになったり後続の起点を作ったりできると言えば強そうだけどガチ環境では一発芸の域を出ない【オバヒパワスワ型】など…器用貧乏な初代ポケモンらしく、中途半端に多彩な型があります。

そしてここまで読んで貰えればわかるように、良くも悪くもあらゆる道具や技を持てる可能性があります。

安定性を求めるのであれば【大文字/ソーラービーム/めざ氷/鬼火@気合の襷】も良いでしょう。2ウェポンで毒守をしてもいいかもしれません。死に際にガブリアスバシャーモに【つぶらなひとみ】を撃てるようにしても面白いと思います。

キュウコンはきっと第7世代においても“テンプレ”だとか“基本型”だとか、そういうものには無縁なポケモンだと思います。
ほとんどの型で炎技とソーラービームは持つでしょうが、それだけです。絶対的に安定して強い型は存在しなく、努力値振りも持ち物も残りの技も役割もパーティ構成から読み取ることはできません。
そして「ガブリアスバシャーモで上から潰せばいいや」と思われているのか、警戒されることも全くありません。
1発のオバヒでサイクルが壊れ、そのまま崩れるパーティも中にはありますし、ゲンガーに初手道連れされることもあまりありません。
ですが、だからこそ、ポケモンというメタゲームにおいて、優位に立てる可能性のあるポケモンだと思います。


フロンティア精神を忘れずに。


輝石ムウマのススメ 第6世代育成論まとめ

挨拶にてマイナーなポケモンどうのこうの書いた癖に、メジャー級のルカリオの記事から書き始めたのは私です。
こんにちは。
今日はムウマについてだらだらと。例によって育成論は後半です。



ムウマ

第2世代が初出のポケモンですね。
金銀のラストダンジョン【シロガネやま】にて初エンカウントすることになるポケモンですが、なんとストーリー中にムウマを繰り出すトレーナーが1人もいないことから、正真正銘シロガネ山にて初エンカウントとなります。
また、その出現が低確率かつバージョン限定だったことから、レッドを倒すまでプレイしたけど当時ムウマを見たことなかった!という人も多いのではないでしょうか。
その扱いはあの600族バンギラスの初期形態であるヨーギラスと同等。ヨーギラスにはバージョンの壁はなかったことから、もしかしたらヨーギラスよりも希少価値の高いポケモンだったかもしれません。(一応ムウマの出現率は金10%晶5%ありましたが)
そしてゴーストタイプとしてはゲンガー系統に続いて2番目の登場とかなりの古株となっており、優遇されたデビューだったと言えるでしょう。

しかし、対戦環境におけるムウマについての知識がある人はどれだけいるでしょうか?

初出の金銀においては、トップメタのカビゴン(捨て身タックル/鈍い/寝言/眠る)から有効打がなく、ゲンガーと違って地面技も弱点にならないことから、【くろいまなざし】【ほろびのうた】コンボによる崩し要員として重宝されてきました。ムウマ系統(というかムウマ)が一番輝いていた時代ではないでしょうか。

第3世代ではゲンガーと共に特性【ふゆう】を獲得。この環境で現在のシステムに纏わるほとんどの仕様が整いましたね。
努力値の仕様変更や特性の出現、拘り鉢巻や強力な積み技の出現により対戦環境が変化し、ムウマの活躍できる場は減少しました。シングルでもダブルでも大爆発が強化されたゲンガーに立場を取られ、またダブルではより高耐久のゴースト、サマヨールにも枠を奪われました。滅び要員としての需要はありました。
第4世代も立場は変わらず、滅びパにお呼びがかかる程度で、対戦の最前線からは遠退きました。この世代では正統進化系としてムウマージが追加されましたが、こちらも種族値の関係上ゲンガーの壁を破ることは難しかったです。
第5世代で【しんかのきせき】が登場。ポリゴン2やラッキー、サマヨールら一部進化前のポケモンが台頭。追加進化だったムウマもこの恩恵に預かったポケモンの1匹であり、単純な耐久指数でサマヨールに遅れは取るものの、ゲンガーとは違った方向に強化され、一部で注目を浴びることとなりました。

そして第6世代。
メガ進化の追加により数値受けやタイプ受けの概念すら崩壊しつつある環境で、ゲンガーのメガ進化獲得によりムウマージムウマ共に環境からはほぼ絶滅しました。そんな中でもムウマージで好成績を残したり、輝石ムウマを構築に組み込んだ人も現れました。【たたりめ】の強化により高火力ウェポンを獲得できたこと、そして鬼火が(命中率も上がり)刺さる環境になったことが大きいです。【ノーマル】【かくとう】【じめん】を無効化する耐性からトップメタのメガガルーラに非常に強く、様々な補助技や搦め手を駆使することで多くの相手を掻き乱せる点が評価されました。それでも上から鬼火や催眠術、高火力技を放て、【かげふみ】状態で【みちづれ】や【ほろびのうた】を使えるメガゲンガーの壁は厚かったですが。


ここでムウマの基本情報をおさらいしましょう。

ムウマ
タイプ:ゴースト
特性:ふゆう
種族値:60-60-60-85-85-85

・輝石込みの実質種族値
無振り:60-60-100-85-137-85
BD極振り:60-60-116-85-153-85

図太いHB特化の耐久指数:30728
→意地リザXのランク+1逆鱗が超低乱数1発(6.3%)
→陽気メガマンダのランク+1捨て身タックルが超低乱数1発(6.3%)
→陽気ガブの逆鱗が確定3発

穏やかHD特化の耐久指数:37575
→臆病メガルカのランク+2ラスカノが確定2発(最大124ダメージ)
→控えめリザYの晴れオバヒが確定2発(最大135ダメージ)
→控えめ眼鏡ギルガルドのシャドボが確定2発(最大162ダメージ)


高速回復技もないので、受けとして働くには輝石を持っても少々心許ないでしょうか。採用率の高い叩き落とすも1度は耐えますが、2発目は耐えられません。
しかし、努力値の振り方にもよりますが、物理特殊両方に1ターン以上の行動が保証されていると見て良いでしょう。
また、耐久ポケモンを相手にするならば十分すぎるほどの耐久指数です。


・実用性のありそうな技
たたりめシャドーボールマジカルシャイン、こごえるかぜ、イカサマ、かげうち、ふいうち
うらみ、いたみわけほろびのうた、くろいまなざし、おんねん、めいそう、どくどく、ちょうはつ、まもる、いちゃもん、おにびでんじは、みがわり、トリックルームみちづれおきみやげのろい、わるだくみ、スキルスワップ、トリック、あやしいひかり、いばる


ゴーストタイプらしい技のラインナップですね。
補助技を眺めているだけでも幾つかの型を考えられそうです。

【鬼火(電磁波)祟り目型】
【呪い痛み分け型】
トリックルーム置き土産型】

上2つは相手のアタッカーや耐久ポケモン崩しに、下はメガクチートなどの低速高火力ポケモンのパートナーに向いているでしょうか。
試合を決める滅びの歌や道連れ、場を荒らすムウマと相性の良い怨念も候補に挙がりやすい技だと思います。
耐久ポケモンの起点回避用の定番ウェポンであるイカサマに関しては、起点回避用補助技が豊富で鬼火も使えるムウマにはやや無駄になりがちといったところでしょう。もちろん型次第では採用したい技です。



【鬼火祟り目(物理受け)型】
性格:すぶとい
努力値:HBベース
たたりめ/おにび/いたみわけ/@1選択

なぜか第6世代現在においてシングルにおけるムウマのテンプレとされている型です
正直中途半端に物理耐久だけ上げても、中途半端すぎて仮想敵がおらず無駄になることが多かったです。耐性だけ見るとコテコテの物理受けなんですけどね。少なくとも第6世代ではB方面は調整程度で十分でした。第7世代で絶妙な火力の仮想敵が現れると変わるかもしれません。
鬼火の入る物理に投げ、鬼火→痛み分け→祟り目と行動することで突破を目指します。
弱点を突かれないポケモンや火力バフのないアタッカーはこれで突破を、耐えられても機能停止の瀕死直前まで追い詰められます。
ほとんどの場合Cには無振りになりますが、祟り目の威力が195あるので並のアタッカーに近い火力を供給できるのも祟り目型の強みです。
Sも85族であり、無振りでも低速アタッカーやほとんどの耐久ポケモンを上回っていることもセールスポイント。この辺りの素早さは激戦区であり、第7世代でも調整のイタチごっこが発生することが容易に想像できるので、周りに合わせて適宜調整を。
ただし【しんかのきせき】の仕様上、耐久努力値を削れば削るほど加速度的に耐久指数が落ちていくので、Sに振るとしても仮想敵を明確にし、ほどほどにしたいところ……ですが上から鬼火や電磁波を打ちたい敵(バンギやギャラなど)も多いため、性格臆病も選択肢に入ります。その場合は物理受け寄りのムウマとは動かし方がやや変わります。別項にて語ります。

・選択技
【でんじは】【ほろびのうた】【のろい】【おきみやげ】など、これはパーティと好みに合わせて選択としか言えません。【でんじは】を選べば鬼火と合わせて幅広い範囲を見れるようになり、【ほろびのうた】を使えば相手がラスト1匹なら勝ちを確定させられたり居座る相手耐久ポケモンを退かせることができます。【のろい】は相手耐久ポケモンに多大な負荷をかけつつ自主退場でき、【おきみやげ】は起点回避しつつ自主退場し、さらに後続の積みエースの起点を作ります。
もちろん【おんねん】や【ちょうはつ】もありだと思います。


私は
【おにび/でんじは/たたりめ/いたみわけ】で使用していました。
最も、努力値調整も性格もスタンダードを無視していますが。

【鬼電祟り目型ムウマ
性格:おだやか
努力値:h252 b172 d84
実数値:167-×-102-105-127-105

特殊方面を控えめ眼鏡サザンドラの悪の波動耐えまで伸ばした、行動保証を重視した努力値振りです。このラインは眼鏡サザンドラの攻撃を耐えたかったのもありますが、どちらかと言えばスカーフサザンドラシャンデラの急所による事故を減らしたかった(ただでさえ怯みが怖い)ことが大きいです。個人的にルカリオを愛用していましたので、持ち物やSラインの確定は死活問題でした。エースポケモンに合わせて調整の余地のある数字だと思います。
余りをBに振ることで物理方面も鉢巻カイリューの逆鱗を確定2発に抑える程度には耐久を確保できています。これによりラム龍舞カイリューと偶発対面しても、電磁波か鬼火を連打することで機能を停止させることができます。
ほとんどの場合初手に投げ、相手に合わせて電磁波や鬼火をばら撒き、相手パーティを疲弊させることを目的としていました。とにかく誤魔化し範囲が広いため、困ったら選出するという形でした。
特に初手にはメガポケモンや足の速いポケモン、撃ち逃げポケモン、ステロや壁で場を整えようとするポケモンが出てくることが多く、非常に良い仕事をしてくれました。当時のパーティのMVPだったと思います。
初手のリザードンYに対しては、電磁波→痛み分けと入ることでオーバーヒートを2連耐えしてくれます。リザードンX相手だったとしても初手電磁波が安定するのが嬉しいところでした。
身代わり持ち以外のメガポケモンのほとんどを相手にできたのではないでしょうか。もちろんゲンガー含めです。
身代わり持ちのメガポケモンに当たったら泣きます。これはムウマに限らず、状態異常に依存する耐久ポケモンの宿命ですね。あと挑発もよく打たれます。これも泣きま…せん見え見えなので大人しく引きます。

鬼電祟り目ムウマは、アタッカーに対してだけでなく、耐久ポケモンにも非常に強いポケモンでした。
鬼火のスリップダメージ、電磁波による回復阻害、祟り目という連打の利く高火力技、相手の再生を許さない痛み分け。
私はルカリオを愛用していたので、相手のポケモンルカリオ圏内に押し込むのにムウマの削りを重宝していました。

ムウマの【ノーマル】【かくとう】【じめん】を無効にする耐性と鬼火電磁波の存在は、多くのアタッカーに対して行動を抑制する効果が高いので、この型のムウマは第7世代以降の環境においても調整を変えるだけで器用に働いてくれるのではないでしょうか。
調整次第で本当に色々耐えるポケモンなので、調整のしがいがあると思います。



【鬼電祟り目型ムウマ亜種】
性格:臆病
努力値:h252 s228 残り28
実数値:167-×-80-105-105-147
おにび/でんじは/たたりめ/いたみわけ

鬼電ムウマだけで3パターン目ですが、臆病のムウマです。
実数値を見てもらえれば解る通り、最速ギャラドス抜きまで振っています。残り28を耐久に振っても劇的に何かが変わるわけでもないので振り切ってもいいかもしれません。
全てのムウマの共通の悩みが、役割対象であるポケモンに挑発を打たれることです。それを解消しようとしたのがこの型になります。
ここまでSを伸ばせば中速域のポケモンを軒並み抜けるので、ギャラドスサーナイトバンギラスマンムー、無補正の霊獣ランドロスといったポケモンに上から異常技を撒けます。また、上から身代わりを張られがちだったヒードランギルガルド、無限キノガッサといったポケモンの展開も阻止できます。つまり、中速域のポケモンに焦点を絞って役割範囲を拡大したのがこのムウマになります。広く浅くから、狭く深くということですね。
言うまでもなく耐久振りムウマと違って(輝石の特性も相まって)耐久は激減しますので、他のムウマで相手をできた高火力のポケモンは素通りさせてしまうことになります。
特に高速高火力のポケモンを素通りさせてしまうと負けに直結してしまうため、臆病ムウマを採用する際には、後続にその部分をカバーできるポケモンを採用するといいでしょう。第6世代の環境で語るのならばガブリアスがその範囲をうまくカバーしてくれると思います。
私は中速域のポケモンルカリオで殲滅していたので、最後まで穏やかムウマを採用していました。
月並みですが、そこは本当にパーティ次第ですね。



【呪い痛み分け型】
性格:おだやかorずぶといorおくびょう
個体値:A0推奨
努力値:下記参照に各自調整
のろい/いたみわけ/みがわりor選択/選択

HBライン(L50時の実数値表記)
h167-b86 不一致イカサマを身代わりが確定耐え
                   無振りクレセリアサイコショックを身代わりが確定耐え
h167-b88 陽気ガブリアスの拘り鉢巻逆鱗を確定耐え
h167-b102 意地バンギラスの交代際追い討ち+砂ダメ1回を確定耐え

HDライン(同上)
h167-d105 4振りスイクンのねっとうを身代わりが確定耐え
h167-d122 4振りメガフシギバナギガドレインを身代わりが確定耐え
h167-d138 4振り控えめニンフィアのランク+1ハイパーボイスを確定3発
h167-d139 4振りライコウの10万ボルトを身代わりが確定耐え

役割を対耐久ポケモンに特化させたムウマです。
呪いは相手の身代わりを貫通するため、【残飯毒守身代わり】で居座ろうとする相手や【無限型】に絶大な効果を発揮します。その他、眠るによる異常リセットも効かないので、【瞑想眠る型】相手にも身代わりと痛み分けを盾に、相手を素眠りまで追い込むことが可能です。

技選択肢としては【シャドーボール】【イカサマ】【おにび】【でんじは】などが挙げられるでしょうか。
当初は型のコンセプト的に【みがわり】も確定かと思ってたのですが、そもそも相手によっては対戦中に身代わりを張る余裕がないことがあったり、計算してるうちに最低限の耐久なら性格補正も必要ないことに気がつきまして…。イメージとしては鬼火祟り目の代わりに呪い痛み分けで圧力をかけるムウマでしょうか。
身代わりを採用しなければ技スペースに余裕が生まれるので、鬼電ムウマのように、異常ばら撒き役として働けるようにしてもいいと思います。ただ相手のHPを削ることに専念させたいのであれば相手の毒々なども避けれる身代わりがある方が便利です。
この型の最大のセールスポイントは、型の性質上、相手の受けループに対して非常に強力な駒となるということです。ただし1匹で勝つ力はありません。悪しからず。バンギラスとかゲンガーとかね、相性最悪なんで。それでも、相手の受けループの核を務めるラッキーとグライオンに対して一方的に有利に立つことができます。ただしそれは相手も百も承知のはずなので(受けループに出てくるムウマなら相手は滅び型を想定してたと思いますが)
ムウマバンギラスに狩られないように上手く立ち回る必要があります。
この呪い痛み分けムウマは相手の防御性能に依存しません。呪いを回復する手段も交換か瀕死しかありません。相手の高速再生の回復量は呪いと痛み分けによってほぼ相殺されます。
よって、第7世代以降の新規ポケモンに強力な、害悪と呼ばれるような耐久ポケモンが登場したとしても、このムウマなら互角以上に渡り合えるのではないかと思います。言うなれば対害悪用最終兵器でしょうか。
害悪ポケモンに悩まされた際には是非ご一考を。



トリックルーム置き土産型】
性格:任意、S下降性格も選択肢に
努力値:仮想敵決めて耐久調整
トリックルームorでんじは/おきみやげorのろい/選択/選択

特に説明不要ですかね。火力のない代わりに襷を必要としないトリルシャンデラのような存在。地味にSラインがシャンデラより高いのが吉と出るか凶と出るか。
機を伺ってトリルか電磁波を撒いて退場します。トリルを選択する際は後続エースに確実にトリルターンを3ターン残すために置き土産を優先的に選びたいですが、使用したい相手やタイミングが異なるので置き土産と呪いの両立、または呪い1本の選択もありでしょう。ムウマシャンデラポリゴン2と違い一定水準の火力を供給することはできないポケモンです。よって居座って自分でトリルターンを消費する戦法を選択するのは得策ではないでしょう。クレセリアのように、あくまでサイクルを回す中で切り返し技、試合を決める技としてのトリルの使用を心がけることが大事です。
トリルでなく電磁波をばら撒く際は、基本は鬼電祟り目ムウマと同じような動きでいいと思います。この場合はトリルのターン制限もないため、クレセリアよりは控えめポリゴン2に近い動かし方になるかもしれません。
ほか選択肢に挙がる技としては【おにび】【たたりめ】【ちょうはつ】【イカサマ】【ほろびのうた】【いたみわけ】あたりでしょうか。S下降性格にする場合は挑発はやや使いづらいかもしれません。トリル+置き土産(呪い)を軸に戦う場合は残り2つはサイクルの中で使う技(イカサマや鬼火、痛み分け)を、電磁波+置き土産(呪い)を軸に戦う場合はシナジーの強い祟り目や挑発を選択するといいでしょう。
第6世代ではトリルエースと言えば専らメガクチートが選ばれてきました。第7世代でどのような鈍足アタッカーが登場するかは不明ですが、メガクチートの火力とSの遅さは一級品であり、第7世代においてもトリルエースとして名を上げることが期待されます。そして、地面と格闘を無効化できるムウマクチートと相性が良く、第7世代においても構築を組む際に選択肢に挙げることができるのではないでしょうか。ポリゴン2と異なり地震を一貫させないのは評価点です。
ただし、クチート軸の宿命と言えましょうか、相手のヒードランバシャーモウルガモスといった炎タイプに対するカバーはほとんど利きません。そこは残り1枠、もしくは構築段階での課題となります。が、何も考えず主人公ガブリアスで良い気もします。


ここまで書いて気づきましたが、電磁波置き土産型ならば鈍足エースにする必要性はありませんね。
身代わりや積み技を持ったエースポケモン全てと相性が良い、オーソドックスな起点作りポケモンでした。
別項として書いた方が良かったかもしれません。



こんなにもムウマについて長々と書いてるとまるでムウマ好きな人間みたいですが、正直、普通です。可愛いとは思いますがビジュアルはムウマージの方が好きです。
ただ、穏やかムウマの性能には惚れ惚れしましたし、扱いが簡単で厨ポケだとも思いますし、可能性に溢れたポケモンだとも思います。

第7世代、サンムーン以降も、ムウマはもっと考察されても良いポケモンなのではないかと思います。
ダブルでも強そうだしね。